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静岡市と浜松市で違う物価|価格改定の説明文を生成AIで

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静岡市と浜松市で違う物価|価格改定の説明文を生成AIで

この記事の要点

9月は価格交渉促進月間です。中小企業庁は2021年9月から毎年9月と3月をこの月間に設定し、受注側から価格交渉を申し出るよう呼びかけています。交渉で効くのは感覚ではなく公表資料で、中小企業庁は根拠になる資料の一覧に総務省の消費者物価指数を挙げています。その消費者物価指数は、静岡県では静岡市と浜松市に分けて毎月公表されています。令和8年7月報では静岡市の総合指数が102.4で前年同月比2.3%の上昇、浜松市が102.1で2.2%の上昇と、水準も中身も二市で違います。この記事では、公表データから自社に関係する行だけを抜き、価格改定の説明文を生成AIで下書きし、人が確認して出すまでの手順をまとめます。

9月は価格交渉促進月間

受注側から申し出る月として設定されている

中小企業庁は価格交渉促進月間の実施とフォローアップ調査結果(2026年9月1日更新)のページで、2021年9月から毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」に設定していると説明しています。ねらいは、交渉と転嫁が定期的になされる取引慣行を定着させることです。

価格交渉促進月間で想定されている動きとして、受注者が発注者へ価格交渉を申し出る、発注者が誠実に協議を行う、月間終了後にフォローアップ調査、大臣名で指導・助言、の4段階を左から右へ並べた図
月間で想定されている4つの動き

このページには、受注者に対して「この機会を捉えて、発注者へ積極的に価格交渉を申し出ていただければと思います」という呼びかけが書かれています。発注者に対しても、誠実に協議を行い、直接の取引先のその先まで考慮した価格決定を行うよう求めています。

月間の終了後には、中小企業庁が多数の中小企業にフォローアップ調査を行います。調査は匿名性を確保したうえで集計され、状況の芳しくない発注者には事業所管大臣名で指導・助言が行われます。つまり、9月に申し出ること自体が制度として想定されている行動です。

交渉の前に「根拠資料」を用意する

中小企業庁の価格交渉・転嫁の支援ツールのページには、「交渉においては、コストの上昇状況など、価格転嫁が必要となる理由を明確に示すことをはじめ、しっかりとした準備を行うことが大切になります」と書かれています。

公正取引委員会と内閣官房の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」も、労務費上昇の理由の説明や根拠資料の作成にあたって公表資料に基づくことを推奨しています。この指針は令和7年12月26日に改正が公表され、令和8年1月1日付けで施行されました。同日に下請代金支払遅延等防止法が中小受託取引適正化法(取適法)へ改まったことを踏まえた見直しです。

国が「使ってよい」と示している資料に何があるか

中小企業庁は労務費、原材料費、エネルギーコスト上昇の根拠となる公表資料(例)という一覧を公開しています。労務費の欄には都道府県別の最低賃金とその上昇率、春季労使交渉の妥結額、公共工事設計労務単価、厚生労働省の毎月勤労統計調査の賃金指数、そして総務省の消費者物価指数が並んでいます。原材料費の欄には日本銀行の企業物価指数や農林水産省の木材価格統計、エネルギーコストの欄には資源エネルギー庁の石油製品価格調査などが挙がっています。

自社で新しい資料を作る必要はありません。この一覧にある公表資料のうち、自社のコスト構造に関係するものを選んで引くのが出発点です。賃金側の数字の拾い方は静岡の賃金と残業を県平均と比べるにまとめてあります。この記事では物価側、つまり消費者物価指数を扱います。

静岡市と浜松市の物価は同じ月でも中身が違う

県は二市に分けて毎月公表している

総務省の消費者物価指数は全国値のほかに都市別の値があり、静岡県では県が「静岡県内政令指定都市の消費者物価指数」として静岡市と浜松市の二市分を毎月まとめています。最新は令和8年7月報(2025年=100)で、更新日は2026年9月7日です。資料には、総務省統計局の小売物価統計調査の調査票情報に基づいて作成していること、指数の基準時とウエイトの算定期間が2025年の1年間であることが明記されています。

令和8年7月分の消費者物価指数の総合指数と前年同月比を、静岡市102.4で2.3%の上昇、浜松市102.1で2.2%の上昇、全国102.0で1.9%の上昇として並べ、生鮮食品は浜松市10.1%・静岡市5.0%であることを添えた表形式の図
令和8年7月分の総合指数と前年同月比

静岡県を一つの数字で語れないのは、ここでも同じです。県庁所在地の静岡市と、人口が県内最大の浜松市が別々に集計されているので、自社の商圏がどちらに寄っているかで引く数字が変わります。

総合指数は二市とも全国を上回っている

令和8年7月分の総合指数は、静岡市が102.4で前年同月比2.3%の上昇、浜松市が102.1で2.2%の上昇です。同じ月の全国は102.0で1.9%の上昇でした。

生鮮食品を除く総合で見ると、静岡市が102.5で2.3%の上昇、浜松市が102.1で1.9%の上昇、全国が102.1で1.8%の上昇です。生鮮食品及びエネルギーを除く総合では、静岡市が102.6で2.4%の上昇、浜松市が102.1で2.1%の上昇、全国が102.1で1.9%の上昇となっています。

前月比も二市で出ています。静岡市が0.4%の上昇、浜松市が0.3%の上昇です。どの切り口で見ても、県内二市は全国と同じか、やや上を行く水準で動いています。

上がっている費目は二市で違う

同じ2%台の上昇でも、押し上げている費目が二市で違います。10大費目の前年同月比を並べると、その差がはっきり出ます。

10大費目 静岡市 浜松市
食料 3.6% 3.8%
生鮮食品 5.0% 10.1%
住居 0.8% 0.8%
光熱・水道 1.9% 0.7%
家具・家事用品 2.1% 5.8%
被服及び履物 3.1% 0.6%
保健医療 2.7% 2.5%
交通・通信 2.1% 1.4%
教育 -4.1% -7.1%
教養娯楽 4.4% 3.2%
諸雑費 2.1% 3.0%

生鮮食品は浜松市が10.1%の上昇で、静岡市の5.0%の倍近くあります。家具・家事用品も浜松市が5.8%、静岡市が2.1%です。逆に光熱・水道は静岡市が1.9%で浜松市の0.7%を上回り、被服及び履物も静岡市が3.1%、浜松市が0.6%と差がついています。教育は二市とも下落で、浜松市は-7.1%です。

「県内の物価は2%台で上がっています」とだけ書いた資料は、どちらの市の話なのかが抜けています。自社の取引先や事業所がある市の行を引いてください。

自社の値上げに効く数字だけを抜く

中分類と品目まで下りる

10大費目はまだ大きすぎます。県の資料には「総合指数に寄与した主な内訳」として、中分類ごとの前年同月比と寄与度、主な品目まで載っています。

消費者物価指数から自社に効く数字を抜く三段として、10大費目の例に食料3.6%、中分類の例に調理食品6.4%、主な品目の例にカツ丼弁当を置き、抜き出すのは3行から5行で足りることを示した図
10大費目から品目まで下りる三段

静岡市の上昇寄与の上位は、調理食品が6.4%(寄与度0.27・主な品目はカツ丼弁当)、菓子類が8.1%(0.21・せんべい)、教養娯楽用品が11.4%(0.19・競技用靴)、家賃が0.7%(0.15・民営家賃)、通信が4.2%(0.15・通信料(携帯電話))、上下水道料が10.1%(0.15・水道料)、生鮮魚介が12.9%(0.12・まぐろ)と続きます。下落側は穀類が-4.4%(-0.12・うるち米)、授業料等が-6.2%(-0.10・高等学校授業料(私立))です。

浜松市は、調理食品が6.1%(0.28)、菓子類が8.2%(0.24・チョコレート)、生鮮野菜が13.6%(0.24・トマト)、教養娯楽用品が10.2%(0.20)、通信が4.1%(0.13)、家賃が0.7%(0.12)、生鮮魚介が11.6%(0.11・まぐろ)、飲料が6.0%(0.11・緑茶)、家事用消耗品が8.0%(0.10・洗濯用洗剤)の順です。下落は授業料等の-15.2%(-0.18・高等学校授業料(私立))が挙がっています。

自社のコストに重なる行だけを選ぶ

ここまで下りると、自社のコストに直接重なる行が見つかります。仕出し弁当や惣菜を扱っているなら調理食品、水産加工なら生鮮魚介、飲料や茶関連なら飲料、清掃やクリーニングの資材なら家事用消耗品です。上下水道料が静岡市で10.1%上がっている点は、水を多く使う工程を持つ事業所にとって直接の材料になります。富士の製紙業のように用水量の大きい現場は、製紙業の生成AI活用7選で扱っている現場文書とあわせて整理すると早く済みます。

抜き出すのは3行から5行で足ります。10大費目から1行、中分類から2行か3行、そこに全国値との比較を添える。この形が、相手に読んでもらえる分量です。

使わない数字をあらかじめ決める

教育の下落のように、自社と関係のない行は入れません。都合のよい数字だけを並べたように見えると、交渉の土台そのものが疑われます。選んだ理由を一文で言えない行は落としてください。

なお、資料には変化率と寄与度が端数処理前の指数値を用いて計算されているため、公表された指数値から計算した値とは一致しない場合があると注記されています。自分で割り算をし直さず、公表されている率をそのまま引くのが安全です。

生成AIに渡すもの、渡さないもの

渡してよい資料

渡してよいのは、すでに公表されている資料です。県の消費者物価指数の月報、中小企業庁の公表資料一覧、自社が公開しているホームページの会社概要や製品ページ。これらは入力しても差し支えありません。

価格改定の説明文づくりで生成AIに渡してよい資料として県の消費者物価指数の月報・中小企業庁の公表資料一覧・自社が公開しているホームページが通り、渡さない資料として取引先名の入った売上一覧・個別の見積書や契約書・未公表の価格改定計画が止まることを示した図
入力してよい資料と、入力しない資料

あわせて、自社の一般的な業務の説明も渡せます。「主な取引先は県内の製造業」「単価の見直しは年1回」といった粒度であれば、社外秘には当たりません。

渡さない資料

渡さないのは、取引先名の入った売上一覧、個別の見積書や契約書、原価表、未公表の価格改定計画です。取引先名と金額が結び付いた情報は、秘密保持契約の対象になっていることが多く、入力してよいかを契約書ごとに判断する必要があります。判断がつかないものは入力しない、を原則にしてください。

社内ルールをまだ紙一枚も作っていない場合は、先に静岡の中小企業の生成AI利用ルールを用意してから始めると迷いが減ります。

金額と単価は伏せたまま進められる

価格改定の説明文は、実は具体的な金額がなくても骨組みが作れます。「改定率」「適用開始日」「対象品目の区分」を伏せ字にした状態で下書きを作り、最後に人が数字を埋める。この順番にすれば、価格情報を外に出さずに文章だけを整えられます。

価格改定の説明文を下書きする指示の書き方

取引先向けの価格改定のお知らせ

次のような形で頼みます。

あなたは静岡県内の中小メーカーの営業担当です。以下の条件で、
取引先向けの「価格改定のお知らせ」を800字以内で作ってください。

・読み手:長年取引のある県内の法人のご担当者
・含める項目:改定の理由/根拠にした公表資料の名称/対象/
 適用開始の予定時期/協議のお願い/問い合わせ先
・根拠として使う数字(これ以外の数字は書かない):
  静岡市の消費者物価指数 総合 前年同月比2.3%の上昇
  静岡市の上下水道料 前年同月比10.1%の上昇
  出典:統計センターしずおか「静岡県内政令指定都市の
  消費者物価指数 令和8年7月報(2025年=100)」
・条件:改定率と金額は[ ]のままにする。私が渡していない
 事実や数字は書かない。断定できない箇所は[要確認]と書く。
・語調:一方的な通告にならないよう、協議を申し入れる形にする。

指示のなかで「これ以外の数字は書かない」と明示する点が重要です。生成AIは、それらしい数字や統計名を自分で足してしまうことがあります。使ってよい数字を先に列挙して閉じておくと、作り話はかなり減ります。

社内の稟議と営業向けの想定問答

同じ材料から、社内文書も作れます。稟議書なら「なぜ今なのか」「根拠は何か」「取引先への影響をどう見込むか」を項目として指定します。稟議や社内報告の書式そのものを軽くする話は経理・総務・人事の生成AI活用8業務にまとめてあります。

営業担当向けには、想定問答が役に立ちます。「他社は上げていないと言われたら」「今期だけ据え置いてほしいと言われたら」「根拠の資料を見せてほしいと言われたら」といった質問を自分で並べ、答えの案を作らせる。出てきた答えをそのまま読み上げるのではなく、会社として言ってよい線を確認する材料として使ってください。商談の前後で書く時間を減らす他の場面は静岡の営業が使う生成AI6場面で扱っています。

一度で仕上げようとしない

最初の出力は、たいてい一般的すぎます。「原材料価格の高騰により」のような、どの会社でも使える文が並びます。そこから「静岡市の上下水道料が10.1%上がっている」のように、渡した数字に結び付いた文へ直していきます。2回か3回のやり取りで、自社の話になります。

出す前に確認する3点

数字と資料名が資料どおりか

指数の値、前年同月比、寄与度、品目名、資料名、公表時点。この6つを、県の月報と一つずつ突き合わせます。生成AIが数字を丸めたり、前月比と前年同月比を取り違えたりすることがあります。

言い切りすぎていないか

「必ず」「確実に」「やむを得ず」といった語が入っていないかを見ます。価格改定は協議で決めるものなので、通告に読める文章は関係を悪くします。中小企業庁のページも、発注者に誠実な協議を求めると同時に、受注者には申し出ることを勧めています。申し入れの形に整えてください。

相手先ごとの事情が混ざっていないか

同じ文面を複数の取引先に送る場合、特定の1社との経緯が残っていないかを確認します。生成AIに渡した材料が1社分に偏っていると、その色が文章に残ります。

静岡の業種ごとの当てはめ方

食品・茶・水産

生鮮魚介は静岡市で12.9%、浜松市で11.6%の上昇、主な品目はいずれもまぐろです。焼津や沼津の水産加工であれば、原料側の動きとして説明に使えます。浜松市の飲料が6.0%の上昇で主な品目に緑茶が挙がっている点は、県内の茶業者にとって直接の材料です。茶の販路や事務の話は静岡の茶業×生成AIに、水産加工の書類仕事は焼津・沼津の水産加工×生成AIにまとめてあります。

ただし、消費者物価指数は小売段階の価格を測った指数です。自社の仕入価格そのものではありません。説明文では「小売段階の価格でもこれだけ動いている」という文脈で使い、仕入の実額は自社の伝票から出してください。

輸送機器・部品

静岡市の自動車等関係費が1.3%の上昇(寄与度0.11・主な品目は自動車保険料(任意))と、伸びは大きくありません。輸送機器のサプライヤーが価格協議に臨むなら、消費者物価指数よりも日本銀行の企業物価指数や、賃金側の毎月勤労統計のほうが効きます。中小企業庁の公表資料一覧には、その両方が載っています。自社のコスト構造に合う資料を選ぶ、という原則はここでも同じです。部品業界の文書業務は静岡の自動車・二輪部品×生成AIで扱っています。

小売・サービス

小売や飲食では、値上げの説明先が取引先ではなく来店客になります。店頭の掲示文やホームページのお知らせは、社内文書より短く、理由を1つか2つに絞った形が読まれます。調理食品が静岡市で6.4%、浜松市で6.1%上がっている事実は、来店客にも説明しやすい材料です。

なお、来店客向けの掲示に細かい統計名を並べる必要はありません。「公表されている県内の物価統計でも」程度に留め、詳しい資料名は問い合わせがあったときに示せるよう手元に置いておく形で足ります。

相談先と、毎月の更新の回し方

交渉に応じてもらえないときの窓口

中小企業庁は、全国47都道府県に設置しているよろず支援拠点に「価格転嫁サポート窓口」を置いています。あわせて「取引かけこみ寺」もあり、価格交渉に応じてもらえないといった取引上の悩みを相談できます。中小機構のよろず支援拠点のページから地域の拠点をたどれます。県内の公的な相談先の全体像は静岡県のDX・AI支援窓口にまとめてあります。

毎月の更新を回す5手順として、月報のページからエクセルを保存する、静岡市・浜松市・全国の総合指数を書き写す、自社に関係する中分類の行を書き写す、前月と同じ形式に整えてもらう、元の資料と1つずつ照合する、を輪にして並べ中央に毎月20分と置いた図
毎月くり返す5つの手順

中小企業庁の支援ツールのページには、中小企業・小規模事業者の価格交渉ハンドブック(2026年1月更新)、中小機構の価格転嫁検討ツール、コスト費目別価格交渉フォーマット(例)も置かれています。様式が要る場合は、自作するより先にこちらを見てください。

毎月20分で更新する

県の消費者物価指数の月報は毎月更新されます。一度作った資料は、翌月に数字を入れ替えれば使い回せます。

手順は5つです。月報のページからエクセルを保存する。総合指数と前年同月比を静岡市・浜松市・全国の3か所から書き写す。自社に関係する中分類の行を書き写す。前月と同じ形式に整えてもらう。最後に元の資料と1つずつ照合する。慣れれば20分ほどで終わります。

景気の方向そのものを併せて見たい場合は、静岡県景気動向指数の読み方も同じ要領で更新できます。買い手の立場で価格協議に臨む場合の準備は購買・調達の生成AIにまとめてあります。

まとめ

9月は価格交渉促進月間です。中小企業庁は受注側から申し出るよう呼びかけ、根拠に使える公表資料の一覧まで公開しています。その一覧に載っている消費者物価指数は、静岡県では静岡市と浜松市に分けて毎月出ています。

令和8年7月分は静岡市の総合指数が102.4で前年同月比2.3%の上昇、浜松市が102.1で2.2%の上昇、全国が102.0で1.9%の上昇でした。同じ2%台でも、生鮮食品は浜松市が10.1%、静岡市が5.0%と中身が違います。自社の商圏と業種に重なる行を3行から5行だけ抜き、公表資料の名前を添えて説明文を作る。下書きは生成AIに任せ、数字と資料名の照合、言い切りすぎの確認、相手先ごとの事情の点検は人がやる。この分担であれば、月間の終わりまでに申し入れの文書を用意できます。

よくある質問

Q. 消費者物価指数は小売の指数ですが、企業間の取引の交渉に使ってよいのですか。

中小企業庁が公開している「労務費、原材料費、エネルギーコスト上昇の根拠となる公表資料(例)」の労務費の欄に、総務省の消費者物価指数が挙げられています。国が根拠資料の例として示している資料です。ただし自社の仕入価格そのものではないので、原材料費の説明には日本銀行の企業物価指数など、コスト構造に合う資料を併せて使ってください。

Q. 静岡市と浜松市のどちらの数字を使えばよいですか。

自社の事業所や主な商圏がある市の数字を使うのが基本です。両方に拠点がある場合は二市を並べ、全国値も添えると、地域差を含めた説明になります。県全体の消費者物価指数として一本化された数値は、県の月報では静岡市と浜松市の二市に分けて公表される形になっています。

Q. 指数が「2025年=100」となっているのはどういう意味ですか。

2025年の1年間を基準として、その水準を100とした指数だという意味です。県の月報の利用上の注意に、指数の基準時とウエイトの算定期間が2025年の1年間であり、基準時加重相対法算式(ラスパイレス型)で算定していると書かれています。基準年が変わると同じ月でも指数の値は変わるので、資料には基準年を必ず併記してください。

Q. 値上げのお知らせに、統計の数字を何個入れるのが適切ですか。

3個から5個で足ります。数字を増やすほど説得力が上がるわけではなく、自社のコストとつながっている行かどうかが読まれます。関係の薄い行は落とし、なぜその行を選んだのかを一文で添えるほうが伝わります。

Q. 生成AIに取引先名や見積金額を入力してもよいですか。

避けてください。取引先名と金額が結び付いた情報は秘密保持契約の対象になっていることが多く、入力の可否は契約書ごとに判断が要ります。改定率と金額を伏せ字にしたまま文章の骨組みを作り、最後に人が数字を埋める進め方であれば、価格情報を外に出さずに済みます。

Q. 交渉を申し出たら取引を切られないか心配です。

中小企業庁は月間終了後にフォローアップ調査を行い、回答が発注者に知られないよう匿名性の確保を徹底すると説明しています。状況の芳しくない発注者には事業所管大臣名で指導・助言が行われます。交渉に応じてもらえない場合の相談先として、よろず支援拠点の価格転嫁サポート窓口と取引かけこみ寺が用意されています。

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参考・出典