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【2026年最新】経理・総務・人事の生成AI活用8業務|静岡の中小企業

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【2026年最新】経理・総務・人事の生成AI活用8業務|静岡の中小企業

結論から書きます。静岡県内の中小企業の経理・総務・人事で生成AIが確実に効くのは、「判断」ではなく「たたき台づくり」と「下ごしらえ」です。仕訳メモの整理、規程改定案の素案、稟議書・議事録の要約、求人票の下書き、社内通知文。逆に、税務判断や労務判断そのものをAIに委ねてはいけません。本記事では、静岡の中小企業のバックオフィスで今日から使える手順とプロンプト例、電子帳簿保存法・インボイス制度の社内FAQ骨子、そして個人情報や給与データを入力しないための運用ルールをまとめます。

静岡県の中小企業で、経理・総務・人事に生成AIが効く理由

経理・総務・人事の8業務で、AIに任せる工程と人が担う工程
経理・総務・人事の8業務で、AIに任せる工程と人が担う工程

静岡県は静岡市と浜松市という二つの政令指定都市を抱える県です。令和7年国勢調査の速報値では浜松市765,750人、静岡市659,620人で、その周りに富士・沼津・磐田・焼津といった産業都市が並びます。県の製造品出荷額のうち約4分の1を輸送用機械が占め、富士市は市の出荷額の約3割をパルプ・紙関連が占める「紙のまち」です。つまり県内には、書類の量が多い製造・卸の中堅中小企業が広く分布しています。

その一方で、こうした企業のバックオフィスはたいてい少人数です。1人が経理と総務を兼務し、人事の一部まで持っているという体制は珍しくありません。そこへ2023年10月のインボイス制度開始、2024年1月からの電子取引データ保存の本格運用と、事務に求められる水準だけが上がりました。人を増やせないのに扱う文書は増えている——この構図が、バックオフィスで生成AIを使う一番の動機です。

ただし前提を一つ置きます。生成AIは「文章のたたき台づくり」と、大量の文書を読む前の「下ごしらえ」が得意で、税額や労働条件の当否を決める最終判断には向きません。本記事で扱う8つの業務も、AIに任せる工程と人が担う工程を次のように分けています。

部門 業務 AIに任せる工程 人が担う工程
経理 1. 請求書・領収書の仕訳メモ整理 勘定科目の候補出しと理由づけ 科目の確定と計上
2. 月次コメントの作成 増減メモから報告文の下書き 数値の確定と最終確認
総務 3. 社内規程・就業規則の改定案 改定案の素案と確認論点の列挙 法令適合の確認と届出
4. 稟議書・議事録の要約 決定・保留・担当と期限への整理 事実確認と回覧判断
5. 株主総会・取締役会資料の要約 議案ごとの論点の索引づくり 原本の読み込みと決議
人事 6. 採用求人票の下書き 条件から本文案を複数生成 掲載内容の確認と決定
7. 社内通知文の作成 目的と締切から通知文の下書き 発信の可否と表現の調整
共通 8. 電子帳簿保存法・インボイスの社内FAQ 骨子に沿った説明文の下書き 制度内容の一次情報での確認

経理|請求書・領収書の仕訳メモと月次の下ごしらえ

仕訳は「候補出しと理由づけ」までをAIに任せる

経費精算や少額の支払いで手が止まるのは、金額の計算ではなく「これは何費か」を毎回考え直す部分です。ここは、勘定科目を確定させるのではなく、候補と理由を並べさせるところまでをAIに任せると効きます。出てきた候補のどれを採るかは、自社の勘定科目体系を知っている経理担当が決めます。

例:「以下は当社の経費精算の申請内容です。考えられる勘定科目の候補を最大3つ挙げ、それぞれ選んだ理由を1行で書いてください。判断材料が足りない場合は候補を無理に出さず『要確認』と書き、何が分かれば判断できるかを示してください。(日付・金額・支払先・但し書きを貼り付け)」

ポイントは「無理に出さず要確認と書いて」という一文です。これを入れないと、生成AIは根拠が薄くても断定的に答えを出します。要確認が返ってきた項目だけを人が見る運用にすると、確認の総量そのものが減ります。

月次の説明文を、数字が固まる前に書き始める

月次の増減コメントは、数字が確定してから書き始めるので締切に張り付きがちです。前月比の主な増減とその理由のメモを箇条書きで渡し、報告用の文章に整えさせておけば、確定値を差し替えるだけで済みます。

例:「次の箇条書きは当月の売上と主要費目の前月比、および各増減の背景メモです。経営会議向けの月次コメントを400字以内で作ってください。メモにない要因は推測で補わず、数値は貼り付けたものだけを使ってください。」

「メモにない要因は推測で補わない」を必ず添えます。これを書かないと、それらしい外部要因(原材料価格や為替など)を勝手に作文してくることがあります。

総務|社内規程・就業規則の改定案と、稟議・議事録の要約

就業規則の改定は「論点出し」までがAIの領分

労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する事業場は就業規則を作成して所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があり、変更する場合も同様に届出が必要です。届出には労働者の過半数で組織する労働組合、それがない場合は労働者の過半数を代表する者の意見書を添えます。始業終業時刻・休憩・休日・休暇、賃金の決定や支払方法、退職に関する事項(解雇事由を含む)は必ず記載します。そして就業規則は、関係法令や労働協約に反する内容にはできません。

この最後の一行があるため、改定案の適否をAIに判断させるのは危険です。AIに任せるのは、現行条文と変更したい方向を渡して「改定案のたたき台」と「専門家に確認すべき論点リスト」を出させるところまでにします。

例:「以下は当社の現行規程の条文です。『◯◯を追加したい』という方針に沿って改定案を作ってください。追加・変更した箇所が分かるように印を付け、変更理由を1行で添えてください。法令上の適否は判断せず、社会保険労務士に確認すべき論点だけを別枠で箇条書きにしてください。(現行条文を貼り付け)」

厚生労働省は「モデル就業規則」を公開しており、条文の並べ方や項目立ての参考になります。たたき台をモデル就業規則の構成と突き合わせてから専門家に持ち込むと、相談の時間を条文の解釈に集中させられます。

稟議書と議事録は「3見出しに整理」させる

会議のメモをそのまま議事録にすると、決定事項と保留事項が混ざったまま回覧されます。整理の型を固定して指示すると、担当者が変わっても議事録の粒度が揃います。

例:「以下の会議メモを、(1)決定事項、(2)保留事項とその理由、(3)担当者と期限、の3見出しで整理してください。メモに書かれていない内容は補わず、記載がない項目は『メモに記載なし』と書いてください。」

稟議書も同じ考え方で、起案者が書いた背景・目的・費用のメモを渡し、決裁者が最初に知りたい順(何を決めるのか、いくらか、いつまでか)に並べ替えさせます。文章を作らせるというより、順番を直させると考えると使いどころが安定します。

人事|求人票の下書きと社内通知文

採用の求人票は、書き手によって表現がぶれやすい文書です。条件を構造化して渡し、複数案を出させて選ぶ形にすると、書き出しの時間がまとめて消えます。

例:「次の条件で求人票の本文案を3パターン作ってください。職種、勤務地、必須要件(箇条書き)、歓迎要件(箇条書き)、1日の仕事の流れ。年齢・性別・国籍を条件として書かず、身体的条件にも触れないでください。それぞれ何を強調した案かを1行で説明してください。」

年齢や性別に関する記載は法令上の制約があるため、プロンプト側で最初から禁止しておきます。そのうえで、最終的な掲載内容は必ず人事担当が確認します。

社内通知文も同様に型を渡します。例:「社内向けの通知文を作ってください。目的、対象者、締切、社員に取ってほしい行動が3つ、問い合わせ先。300字以内で、冒頭の1文で何の連絡かが分かるようにしてください。」通知文は読み手が斜め読みする前提なので、字数上限を必ず指定するのがコツです。

株主総会・取締役会の資料要約は「読む前の地図」として使う

株主総会や取締役会の資料は、事前に配られる分量が多く、しかも一字一句が意味を持つ文書です。ここでの生成AIの使い方は、要約で原本を置き換えることではありません。「どこに何が書いてあるかの地図」を先に作り、人が読む順番を決めるために使います。

具体的には、議案ごとに「何を決議するのか」「賛否の判断に必要な数字はどこか」「前回からの変更点はどこか」の3点だけを抜き出させ、その箇所を原本で読みます。要約だけで意思決定するのは避けてください。議事の正確性が求められる文書ほど、AIの出力は索引として扱うのが安全です。

電子帳簿保存法・インボイス制度の社内FAQを生成AIで作る

社内FAQで押さえる電子帳簿保存法とインボイス制度の要点
社内FAQで押さえる電子帳簿保存法とインボイス制度の要点

バックオフィスに寄せられる質問は、実は毎回ほぼ同じです。社内FAQを一度作れば問い合わせ対応の時間が減りますが、ゼロから書くのが面倒で後回しになります。ここは生成AIで骨子を作り、中身の正確性を国税庁の情報で確認する分担が向いています。

前提となる制度の要点は次のとおりです。電子帳簿保存法では、請求書・領収書・契約書・見積書などに相当するデータを電子でやり取りした場合、そのデータを一定の要件を満たした形で保存する必要があります(電子取引データ保存)。受け取った場合だけでなく送った場合も対象です。要件としては、改ざん防止のための措置をとること、「日付・金額・取引先」で検索できるようにしておくこと、ディスプレイやプリンタ等を備え付けることが挙げられています。国税庁は令和6年1月以降、保存要件に従った電子データ保存を行えるよう準備を求めています。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は令和5年(2023年)10月1日に開始しました。買手が仕入税額控除の適用を受けるには、原則として売手であるインボイス発行事業者からインボイスを交付してもらい、それを保存する必要があります。インボイスの記載事項は次の6項目です。

番号 記載事項
1 交付先である相手方の氏名または名称
2 売手(自社)の氏名又は名称および登録番号
3 取引年月日
4 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
5 10%・8%それぞれの対象となる対価の総額および適用税率
6 10%・8%それぞれの消費税額等

なお、不特定多数に販売等を行う小売業・飲食店業・タクシー業などでは、記載事項の一部を省略した簡易インボイスを交付できます。また、インボイスの保存がなくても仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置が令和13年(2031年)9月末まで設けられています。

社内FAQの骨子(この見出しをAIに埋めさせる)

次の見出しを先に決めてから、各項目の説明文をAIに書かせ、内容を国税庁の該当ページで確認してください。「自社ではどうするか」の欄を必ず設けるのが、汎用の解説記事との違いです。

  1. この社内FAQの対象範囲と、迷ったときの最終確認先(担当部署と担当者名)
  2. メールやWebでPDFの請求書・領収書を受け取ったとき、どこにどう保存するか
  3. こちらから請求書・見積書をPDFで送ったとき、控えをどこに残すか
  4. 紙で受け取った請求書・領収書はどう扱うか(自社で採用している方法を明記)
  5. ファイル名の付け方(日付・金額・取引先で探せる状態にするための社内ルール)
  6. 受け取った請求書に登録番号がないときの社内手順と、確認の依頼先
  7. 立替経費・出張精算で領収書が電子データだった場合の提出方法
  8. 判断に迷う取引の相談ルート(社内の誰に、どの情報を添えて聞くか)

項目6のように「制度の説明」で終わらせず「自社の手順」まで書き切ると、問い合わせが目に見えて減ります。制度そのものの解釈に迷う部分は、社内FAQに断定的な回答を書かず、税理士や所轄税務署への確認ルートを示す形にしてください。

入力してはいけない情報|バックオフィス専用の運用ルール

生成AIに入力してよい情報と入力しない情報の線引き
生成AIに入力してよい情報と入力しない情報の線引き

経理・総務・人事は、社内で最も機微な情報を扱う部署です。個人情報保護委員会は令和5年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を公表し、個人情報を取り扱う事業者に対して、生成AIサービスに個人情報を入力する際は特定した利用目的の達成に必要な範囲内であることを確認するよう求めています。バックオフィスで生成AIを使うなら、この線引きを部署のルールとして先に文書化してください。

最低限、次の区分を社内ルールに書きます。

区分 具体例
入力してよい情報 社外に公開済みの自社情報、制度の一般的な質問、社名や個人名を伏せた文章の型、公開されている法令・様式の文面
入力しない情報 マイナンバー給与明細や賞与査定などの人事評価情報、健康診断・病歴などの情報、履歴書や応募者の個人名を含む書類、社外秘の契約条件や取引先の未公開情報

そのうえで、運用として次の4点を決めておくと事故が起きにくくなります。

  • 伏せ字の型を決める:氏名は「A氏」、取引先は「取引先X」、金額は桁だけ残すなど、置き換え方を部署で統一する。人によって伏せ方が違うと、伏せ忘れが起きます
  • 使ってよいサービスを列挙する:会社として利用を認めるサービスを名指しで決め、それ以外は使わない。無料版と法人向けプランで入力データの扱いが異なる場合があるため、契約している条件を総務が把握しておきます
  • 出力の確認責任を明記する:AIが作った文書の内容に責任を持つのは、それを社内に出した担当者であることをルールに書きます
  • 迷ったら聞ける相手を決める:判断に迷う入力があったときの相談先を1人決めておきます。決めていないと、忙しい日に各自の判断で入力されます

このルール整備と、実際の操作を学ぶ研修はセットで進めるのが効率的です。研修の組み立て方は「静岡県の中小企業向け 生成AI研修の設計5ステップ」で解説しています。ツールや研修の費用に使える公的支援を探す場合は「静岡県の中小企業が使えるAI導入補助金・支援制度」を参照してください(対象となるかは要件審査があります)。

よくある質問

Q1. 会計ソフトのAI機能があれば、生成AIは別に使わなくてよいですか?

用途が違います。会計ソフトに組み込まれた機能は、自社の勘定科目や取引履歴を前提に処理を進めるためのものです。一方この記事で挙げているのは、規程の改定案、議事録の整理、通知文、求人票といった「会計ソフトの外にある文書」の下書きです。どちらかに寄せるというより、数字の処理はソフト側、文章のたたき台は生成AI側、と役割を分けて考えてください。なお、どの会計ソフトを使うかは自社の運用と契約条件で決める話で、本記事では特定製品の比較や推奨は行いません。

Q2. 電子帳簿保存法やインボイス制度の判断を、生成AIに聞いて決めてよいですか?

決めないでください。生成AIの回答は、参照した情報の時点や範囲が利用者からは見えず、制度改正の反映も保証されません。使ってよいのは「社内FAQの下書きを作る」「質問の整理をする」までで、内容の正しさは国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトやインボイス制度の公式ページで確認し、個別の判断は税理士や所轄税務署に相談してください。

Q3. 就業規則の改定案をAIに作らせて、そのまま届け出てもよいですか?

いけません。就業規則は関係法令や労働協約に反する内容にできず、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成・変更のたびに、労働者の過半数を代表する者などの意見書を添えて所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。AIの出力はあくまで社内でたたくための素案として扱い、条文の適否は社会保険労務士などの専門家に確認してから届け出てください。厚生労働省のモデル就業規則を横に置いて構成を突き合わせると、確認の抜けが減ります。

Q4. 総務が1人しかいません。どこから始めるのが現実的ですか?

社内通知文と議事録の整理からをおすすめします。この2つは機微な情報を含みにくく、失敗しても影響が社内にとどまり、しかも毎週発生するため効果を実感しやすいからです。慣れてきたら稟議書の順番整理、次に規程のたたき台へ広げます。逆に、給与・評価・応募者情報に触れる業務は、入力ルールを文書にしてからにしてください。県内でDXの進め方そのものを相談したい場合は、公益財団法人静岡県産業振興財団のDX・生産性向上チームなど、県内の公的な相談先も入口として使えます。

参考・出典

まとめ|「判断」は人、「たたき台」はAI

静岡の中小企業のバックオフィスで生成AIを使うときの原則は一つで、最終判断は人が持ち、たたき台づくりと下ごしらえをAIに寄せることです。経理では仕訳の候補出しと月次コメント、総務では規程改定の素案と議事録の型整理、人事では求人票と社内通知文。そして電子帳簿保存法とインボイス制度は、制度の説明で終わらせず「自社ではどうするか」まで書いた社内FAQに落とし込みます。入力してよい情報と入力しない情報の線引きを先に決めておけば、少人数のバックオフィスでも安全に運用できます。静岡県内での導入や社内ルールづくりの相談は、運営会社の事業内容をご確認のうえ、お問い合わせからご連絡ください。