この記事の要点
- 総務省統計局の家計調査「品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」(2023〜2025年平均)で、静岡市は緑茶(7,697円)、まぐろ(10,785円)、しらす干し(3,066円)が全国1位、浜松市はぎょうざ(4,051円)、うなぎのかば焼き(5,039円)、じゃがいも(3,654円)が全国1位です。
- 数字は「二人以上の世帯の1世帯当たり年間支出金額」で、対象は都道府県庁所在市と政令指定都市の52市です。静岡県全体の数字ではありません。
- 3年平均と単年で順位が変わります。緑茶の購入数量は3年平均では静岡市が1位ですが、2025年単年では浜松市が1,447グラムで1位です。どちらの数字かを書かないと、翌年に矛盾が出ます。
- 静岡市と浜松市は同じ県でも上位品目が違います。静岡市は緑茶・まぐろ・みかん・外食、浜松市は餃子・うなぎ・かつお・じゃがいもです。県で一括りにした販促文は、どちらの市の消費者にも刺さりません。
- 生成AIには、人が確定した数字を渡して商品説明やPOPの文章に整える作業を任せます。ランキングの数字そのものを生成AIに調べさせると、古い年や別の品目が混ざります。
家計調査ランキングの早見表|静岡市と浜松市の上位品目
総務省統計局は家計調査(二人以上の世帯)の1世帯当たり品目別年間支出金額と購入数量から、2023年(令和5年)〜2025年(令和7年)平均の都市別ランキングを公表しています(総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)」)。ここから静岡市と浜松市が上位に入る品目を拾います。

静岡市が上位の品目
| 品目 | 静岡市の順位 | 静岡市の年間支出 | 全国平均 |
|---|---|---|---|
| 緑茶 | 1位 | 7,697円 | 3,187円 |
| まぐろ | 1位 | 10,785円 | 5,356円 |
| しらす干し | 1位 | 3,066円 | 1,587円 |
| 魚介のつくだ煮 | 1位 | 1,835円 | 889円 |
| みかん | 2位 | 5,724円 | 4,512円 |
| 食事代(外食) | 2位 | 11,718円 | 7,467円 |
| 干しあじ | 3位 | 1,015円 | 552円 |
| 弁当 | 5位 | 24,018円 | 18,460円 |
静岡市の緑茶は年間7,697円で、全国平均3,187円の2.4倍です。購入数量も1,215グラムで1位(全国平均647グラム)です。まぐろは10,785円で全国平均の2倍、購入数量も3,715グラムで1位です。清水港がまぐろの輸入拠点である土地柄が、家計の支出にそのまま出ています。
浜松市が上位の品目
| 品目 | 浜松市の順位 | 浜松市の年間支出 | 全国平均 |
|---|---|---|---|
| ぎょうざ | 1位 | 4,051円 | 1,984円 |
| うなぎのかば焼き | 1位 | 5,039円 | 2,551円 |
| じゃがいも | 1位 | 3,654円 | 2,871円 |
| 緑茶 | 2位 | 5,804円 | 3,187円 |
| かつお | 3位 | 2,777円 | 1,682円 |
| しらす干し | 3位 | 2,816円 | 1,587円 |
| かつお節・削り節 | 3位 | 1,120円 | 859円 |
| 調理食品(全体) | 4位 | 177,948円 | 156,940円 |
浜松市のぎょうざは4,051円で全国平均の2倍、うなぎのかば焼きは5,039円で全国平均の2倍近くです。緑茶は静岡市に次ぐ2位の5,804円で、これも全国平均を大きく上回ります。調理食品の合計が177,948円で4位に入るのは、餃子やうなぎのような「買って帰る総菜」の支出が積み上がっているためです。
同じ県でも順位が分かれる理由
静岡市と浜松市で1位の品目が重なるものはありません。緑茶は静岡市1位・浜松市2位、しらす干しは静岡市1位・浜松市3位と両方が上位に入りますが、餃子・うなぎ・じゃがいもは浜松市だけ、まぐろ・みかん・外食は静岡市だけが上位です。県内の物価が静岡市と浜松市で違うのと同じで、消費の顔ぶれも二つの市で分かれています(静岡市と浜松市で違う物価|価格改定の説明文を生成AIで)。
家計調査の数字を読むときの5つの注意点
ランキングは分かりやすい反面、条件を落として引用すると誤りになります。販促文や資料に載せる前に5点を確かめます。

「二人以上の世帯」の1世帯当たり年間支出
家計調査の品目別ランキングは二人以上の世帯が対象で、単身世帯は含みません。数字は1世帯が1年間に支出した金額の平均です。「静岡市民は一人当たり緑茶に7,697円使う」と書くのは誤りで、正しくは「静岡市の二人以上の世帯は1世帯当たり年間7,697円」です。
3年平均と単年で順位が変わる
総務省の都市別ランキングは3年平均で作られています。単年の数字は家計調査年報や毎年2月に出る前年分の結果で確認します。浜松市のぎょうざは3年平均で4,051円ですが、2025年単年では4,046円です。3年平均と単年を同じ表に混ぜると、翌年の更新で辻褄が合わなくなります。
対象は52市で、県全体ではない
ランキングの対象は47の都道府県庁所在市と、それ以外の政令指定都市5市(川崎市・相模原市・浜松市・堺市・北九州市)の計52市です。静岡県からは静岡市と浜松市の2市が入ります。富士市・沼津市・焼津市の家計はこのランキングには出ません。「静岡県は緑茶の支出が日本一」と書くのは、対象が市であることを落とした表現です。
品目の定義を確かめる|ぎょうざの例
浜松市の報道発表によると、家計調査の「ぎょうざ」はスーパー等で販売されている生餃子・焼餃子と餃子のテイクアウト専門店のテイクアウトを含み、餃子の冷凍食品や中華料理店等のテイクアウトは含みません(浜松市「総務省家計調査『ぎょうざ』部門 浜松市の餃子購入額が3年連続日本一」(2026年2月6日))。飲食店で食べた餃子は「外食」に入ります。餃子専門店が「家計調査で日本一の餃子のまち」と書くのは可能ですが、「浜松市民は餃子を外食で最も食べる」と書く根拠にはなりません。
金額と数量は別の順位
ランキングには支出金額と購入数量の2種類があります。緑茶は静岡市が金額・数量とも3年平均で1位ですが、静岡県の公式ページによると2025年単年の購入数量は浜松市が1,447グラムで1位です(静岡県「緑茶年間支出金額(3年間平均)・年間購入数量(同左)・年間購入数量(単年)日本一」(2026年6月10日更新))。金額の1位と数量の1位が別の市になることがあるので、どちらの順位かを必ず書きます。
静岡市の緑茶と浜松市の餃子|県と市の公式発表の読み方
同じ家計調査を、静岡県と浜松市はそれぞれ別の切り口で公表しています。引用するならこの2つの公式ページを一次情報として使えます。

県の「緑茶 日本一」ページ
静岡県の「Myしずおか日本一」では、緑茶の年間支出金額(3年間平均)・年間購入数量(3年間平均)・年間購入数量(単年)の3つで日本一を掲げています。2026年6月10日更新のページでは、静岡市の令和5〜7年平均が支出金額7,697円・購入数量1,215グラム、2位が浜松市の5,804円・1,192グラム、3位が宮崎市の5,266円と書かれています。3年平均と単年を分けて日本一を数えている点が、県の使い方の特徴です。
県の茶業を扱う記事では、生産側の数字(荒茶生産量・栽培面積・産出額)と消費側の数字(家計調査)を分けて書くと読者が混乱しません(静岡県の茶の生産量の早見表|荒茶・面積・産出額の読み方)。
浜松市の「3年連続日本一」報道発表
浜松市は毎年2月、前年分の家計調査が公表された日に餃子の順位を発表しています。2026年2月6日の発表では、2025年の年間支出は浜松市4,046円、2位が宇都宮市3,575円、3位が宮崎市3,418円で、浜松市は3年連続の1位です。過去10年の表も載っており、2015年から2024年の1位は浜松市6回・宇都宮市2回・宮崎市2回と入れ替わっています。「日本一」は毎年動く数字なので、販促文に使う時は年を必ず添えます。
販促文・商品説明に数字を使う手順|生成AIとの分担
家計調査の数字は、県内の食品事業者・飲食店・観光事業者が商品説明やPOPに使いやすい素材です。ただし、書き方を誤ると景品表示法上の「優良誤認」に近づきます。手順を4段階に分け、生成AIに任せる範囲を決めます。

使ってよい書き方と使えない書き方
| 使ってよい書き方 | 使えない書き方 |
|---|---|
| 総務省家計調査(2023〜2025年平均)で静岡市は緑茶の年間支出が全国1位 | 静岡のお茶は日本一おいしい |
| 浜松市は2025年の家計調査でぎょうざの年間支出が3年連続1位 | 浜松餃子は日本で一番売れている餃子 |
| 静岡市の二人以上の世帯はまぐろに年間10,785円(全国平均5,356円) | 静岡市民は全国の2倍まぐろを食べる |
家計調査は「支出額」の順位であり、味や品質の順位ではありません。左の列は統計の事実、右の列は統計から言えない主張です。「日本一」と書けるのは、調査名・対象年・品目名を添えた時だけです。
手順4段階
- 数字を人が取る: 総務省統計局のランキングのエクセル、または県・市の公式ページから、品目名・順位・金額・対象年をそのまま控える。
- 条件を書き出す: 「二人以上の世帯」「1世帯当たり年間支出」「2023〜2025年平均」「52市中」の4条件を1行で用意する。
- 生成AIに文章化を任せる: 数字と条件を渡し、商品説明・POP・SNS投稿の文案を書かせる。数字を変えない・順位を盛らない・味の評価を足さないの3つを禁止事項として入れる。
- 人が照合する: 出力の数字を元の表と1つずつ突き合わせ、条件が落ちていないかを確認してから使う。
小売・飲食で生成AIに任せる仕事と任せない仕事の切り分けは、別の記事で場面ごとに整理しています(静岡の小売・飲食店の生成AI|任せる仕事と任せない仕事)。
プロンプト例
茶販売店が店頭POPの文案を作る例です。
以下は総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023〜2025年平均)」から人が転記した確定済みの数字です。
- 静岡市の緑茶の年間支出金額 7,697円(52市中1位)
- 全国平均 3,187円
- 静岡市の緑茶の年間購入数量 1,215グラム(52市中1位)
この数字を使って、店頭POP用の文案を3案、各60字以内で書いてください。条件は次のとおりです。
- 数字と順位を変えない。丸めない。
- 「二人以上の世帯・1世帯当たり」の条件を落とさない。
- 味・品質・健康効果に触れない。
- 「日本一」を使う場合は必ず「家計調査(2023〜2025年平均)で」を添える。
出力の3案から、条件を満たすものだけを残します。生成AIは「静岡市民の緑茶愛は日本一」のような表現を足しがちなので、禁止事項を守れているかは人が読んで判断します。
静岡の事業者別の使いどころ|茶業・水産・飲食・観光
県内の業種ごとに、どの数字をどこに置くかを整理します。

茶業者と水産加工|静岡市の数字を使う
茶業者(静岡市・県中西部)は、静岡市の緑茶7,697円・1,215グラムを、県外の百貨店や海外バイヤー向けの提案書に「消費の厚み」として載せます。生産量の数字と組み合わせると、産地と消費地が同じ市であることが伝わります(静岡の茶業×生成AI|販路・事務・輸出の効率化手順)。
水産加工・鮮魚店(焼津・清水・沼津)は、静岡市のまぐろ10,785円・しらす干し3,066円を、ギフト商品の説明文や取引先向けの資料に使います。清水港のまぐろ輸入の数字と並べると、原料から食卓までの流れが一枚で示せます。
餃子・うなぎ|浜松市の数字を使う
餃子・うなぎの飲食店と製造業(浜松市)は、浜松市のぎょうざ4,051円(3年平均)または4,046円(2025年)と、うなぎのかば焼き5,039円を、店頭・通販・ふるさと納税の返礼品説明に使います。年と、平均か単年かを明記します。
観光事業者|市ごとに食の売りを分ける
観光事業者(県全域)は、静岡市は緑茶・まぐろ、浜松市は餃子・うなぎと、市ごとに食の売りを分けて観光パンフレットを作ります。県の観光統計と合わせて地域別の資料にします(静岡県の観光交流客数の読み方|宿泊客数との違いと早見表)。
いずれの場合も、翌年2月に新しい年の結果が出たら数字を差し替えます。3年平均のランキングは総務省が毎年更新するので、古い平均を使い続けないよう、資料に「2023〜2025年平均」と対象期間を残しておきます。
あわせて読みたい
よくある質問
Q. 静岡市が家計調査で全国1位の品目は何ですか。

2023〜2025年平均のランキングでは、緑茶(7,697円)、まぐろ(10,785円)、しらす干し(3,066円)、魚介のつくだ煮(1,835円)が支出金額で1位です。いずれも二人以上の世帯の1世帯当たり年間支出金額です。
Q. 浜松市の餃子は本当に日本一ですか。
総務省家計調査の「ぎょうざ」品目で、浜松市は2025年の年間支出が4,046円で1位、3年連続の1位です。2023〜2025年平均でも4,051円で1位です。順位は毎年変わるので、対象年を添えて引用してください。
Q. 「静岡県は緑茶の消費が日本一」と書いてよいですか。
家計調査のランキングは都道府県庁所在市と政令指定都市の52市が対象で、県全体の数字ではありません。「静岡市は家計調査(2023〜2025年平均)で緑茶の年間支出が全国1位」と、市名と調査名を明記してください。
Q. ランキングの最新版はいつ更新されますか。
総務省統計局は毎年2月に前年分の家計調査の結果を公表し、3年平均のランキングもその後に更新されます。浜松市の餃子の報道発表も2月上旬です。2026年9月時点の最新は2023〜2025年平均です。
Q. 生成AIに家計調査の順位を調べさせてもよいですか。
数字は人が総務省統計局や県・市の公式ページから取ってください。生成AIは古い年の順位や、別の品目の金額を混ぜることがあります。生成AIに任せるのは、確定した数字を文章に整える作業です。
運営元 Uravation より自社に近い業務から着手先を選ぶ材料として、業務別の生成AI活用事例50例を無料で公開しています。 生成AI活用事例 業務別50選を受け取る(無料)