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静岡県の茶の生産量の早見表|荒茶・面積・産出額の読み方

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静岡県の茶の生産量の早見表|荒茶・面積・産出額の読み方

この記事の要点

  • 静岡県の茶は、荒茶生産量では令和7年産が24,100tで全国2位、栽培面積では令和7年が11,600haで全国1位、荒茶産出額では令和6年が99億円で全国1位です。どの指標かを書かないと「日本一」も「2位」も両方とも間違いになります。
  • 荒茶生産量で鹿児島県が静岡県を上回ったのは令和6年産からで、令和7年産は静岡県24,100tに対して鹿児島県30,000tと差が広がりました。
  • 栽培面積が1位でも生産量が2位になるのは、年間に何回摘むかの違いが大きいためです。令和7年の年間延べ摘採面積は、静岡県が栽培面積の209%、鹿児島県が317%です。
  • 「茶産出額」は生葉と荒茶の合計で、令和6年は静岡県214億円・鹿児島県241億円です。「荒茶産出額」だけなら静岡県99億円で1位です。名前の似た2つの数字を混ぜないでください。
  • 市町別の荒茶生産量は平成21年で調査が終わっています。市町別に比べるなら令和5年の産出額を使います。生成AIに任せるのは数字を確定させた後の文章化です。

静岡県の茶の生産量は3つの指標で読む(早見表)

「静岡県の茶の生産量」と一口に言っても、資料に載る数字は3種類あります。荒茶生産量、栽培面積、産出額です。それぞれ調査も年次も違い、全国順位も一致しません。まず早見表で全体を押さえます。

荒茶生産量・栽培面積・荒茶産出額の3つを並べ、それぞれの静岡県の値と順位を示した図
静岡県の茶の3つの指標と全国順位

荒茶生産量・栽培面積・産出額の早見表

指標 静岡県 全国順位 年次 出典の調査
荒茶生産量 24,100t 2位(1位は鹿児島県30,000t) 令和7年産 農林水産省「農林水産統計」
栽培面積 11,600ha(全国シェア34.7%) 1位(2位は鹿児島県8,040ha) 令和7年 農林水産省「面積調査 速報 令和7年果樹及び茶栽培面積(7月15日現在)」
荒茶産出額 99億円(全国シェア31.5%) 1位(2位は鹿児島県84億円) 令和6年 農林水産省「令和6年生産農業所得統計」
茶産出額(生葉と荒茶の合計) 214億円 鹿児島県241億円を下回る 令和6年 農林水産省「農林水産統計」(静岡県お茶振興課の資料に掲載)

栽培面積と荒茶産出額の数字は静岡県「茶栽培面積、荒茶産出額 日本一」(Myしずおか日本一・2026年6月10日更新)、荒茶生産量と茶産出額は静岡県経済産業部農業局お茶振興課「静岡県茶業の現状」(令和8年3月)の統計表から取っています。

「日本一」と書いてよい指標、書けない指標

県の公式ページの見出しは「茶栽培面積、荒茶産出額 日本一」です。荒茶生産量は見出しに入っていません。つまり県自身が、面積と産出額は1位、生産量は1位ではない、と指標を分けて書いています。

社内資料や商品説明で「静岡はお茶日本一」とだけ書くと、読んだ人が生産量のことだと受け取り、農林水産省の統計と食い違います。「栽培面積で日本一」「荒茶産出額で日本一」のように、指標を添えるのが安全です。

3つの指標の年次がずれている

早見表の年次を見ると、荒茶生産量は令和7年産、栽培面積は令和7年、産出額は令和6年です。産出額の統計は生産量より公表が遅く、いま手に入る最新値が1年古くなります。資料には数字ごとに年次を書き、「最新」とだけ書かないようにします。

荒茶生産量|令和7年産は静岡24,100t・鹿児島30,000t

荒茶とは、摘んだ生葉を蒸して揉み、乾燥させたもので、仕上げ茶にする前の状態です。生産量の統計はこの荒茶の重さで集計されます。

令和5年産から令和7年産までの静岡県と鹿児島県の荒茶生産量を左右に並べて比べた図
令和6年産で逆転し、令和7年産で差が広がった荒茶生産量

逆転は令和6年産、令和7年産で差が広がった

静岡県お茶振興課の資料に載っている府県別荒茶生産量(農林水産省「農林水産統計」)を、令和2年産から並べます(静岡県「静岡県茶業の現状」(令和8年3月))。

年産 静岡県 鹿児島県 主産県計 全国
令和2年 25,200t 23,900t 68,503t 69,800t
令和3年 29,700t 26,500t 70,700t 78,100t
令和4年 28,600t 26,700t 69,900t 77,200t
令和5年 27,200t 26,100t 68,000t 75,200t
令和6年 25,800t 27,000t 66,900t 73,900t
令和7年 24,100t 30,000t 68,000t 75,100t

令和5年産までは静岡県が上でしたが、令和6年産で鹿児島県27,000tが静岡県25,800tを上回り、令和7年産は静岡県24,100tに対して鹿児島県30,000tです。報道では、農林水産省が2026年2月20日に発表した統計として、静岡県は前年比7%減で2年続けて2位、鹿児島県は11%増、主産8県の合計は2%増の6万8,000tで4年ぶりの増加と伝えられています(日本経済新聞「2025年の茶生産統計に関する報道」(2026年2月20日))。

ちなみに静岡県の荒茶生産量のピークは昭和50年の52,989tで、令和7年産はその半分以下です。

一番茶だけの統計と年間の統計を混ぜない

農林水産省は、年間の統計より先に一番茶だけの統計を8月に出します。令和7年産一番茶では、主産県計の荒茶生産量が2万tで前年産比10%減、摘採面積は2万2,300haで5%減、10a当たり生葉収量は461kgで6%減でした。減った理由として、主に静岡県で4月上旬から5月上旬にかけて最低気温が低い日があり、芽の伸びが抑えられたことが挙げられています。この一番茶の統計で、鹿児島県が初めて全国1位になったと農林水産省は見出しに書いています(農林水産省「令和7年産一番茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県)」(令和7年8月19日更新))。

年間の統計はその後、翌年2月に出ます。8月に出た一番茶の数字を年間の数字として引用すると、資料の中で桁が合わなくなります。一番茶か年間かを必ず書きます。

全国計と主産県計は別の行

農林水産省の調査は主産県だけを対象にしています。主産県とは、直近の全国調査年である令和2年産の一番茶期の生葉収穫量が多い上位3県(静岡県・鹿児島県・三重県)に、茶の畑作物共済事業で半相殺方式を採用する2府県(埼玉県・京都府)を加えたものです。上の表の「主産県計」と「全国」が別の行になっているのはこのためで、令和7年産は主産県計68,000t、全国75,100tです。県のシェアを出すときは、どちらを分母にしたかを書きます。

栽培面積と摘採面積|面積1位なのに生産量2位になる理由

栽培面積は静岡県が1位です。令和7年の栽培面積は静岡県11,600ha(全国シェア34.7%)、鹿児島県8,040ha、三重県2,580ha、全国33,400haです(静岡県「茶栽培面積、荒茶産出額 日本一」)。静岡県の栽培面積のピークは昭和63年の23,300haで、令和7年はその半分です。

静岡県と鹿児島県の栽培面積から年間延べ摘採面積へ向かう流れを左から右に並べた図
栽培面積は静岡県が上、年間延べ摘採面積は鹿児島県が上

年間延べ摘採面積の比率が違う

面積が1位でも生産量が2位になる理由の一つが、同じ茶園から年に何回摘むかの違いです。静岡県お茶振興課の資料には、静岡県と鹿児島県の茶期別摘採面積が載っています(関東農政局静岡支局の資料。平成29年産から二番茶以降は差し引いて算出した参考値)。

令和7年 栽培面積 一番茶の摘採面積 二番茶以降 年間延べ 栽培面積に対する比率
静岡県 11,600ha 10,500ha 13,800ha 24,300ha 209%
鹿児島県 8,040ha 7,670ha 17,830ha 25,500ha 317%

年間延べ摘採面積では、鹿児島県25,500haが静岡県24,300haを上回ります。栽培面積では上の静岡県が、摘む面積の合計では鹿児島県を下回るわけです。資料で「面積は静岡が上なのに生産量は鹿児島が上」と書くなら、この比率を添えると読み手が納得します。

静岡県の茶期別の内訳

静岡県の令和7年産荒茶生産量24,100tの茶期別内訳は、一番茶8,120t、二番茶7,900t、三番茶300t、冬春秋番茶7,780tです。割合は一番茶34%、二番茶33%、三番茶1%、冬春秋番茶32%になります。二番茶以降は静岡経済連の推計値と資料に注記があるので、引用するときは「県資料(一部推計)」と添えます。

産出額|「茶産出額」と「荒茶産出額」は別の数字

産出額には名前の似た数字が2つあり、順位が逆になります。ここが一番の取り違えポイントです。

荒茶産出額と茶産出額の2つの箱に静岡県と鹿児島県の値を入れて対比した図
名前の似た2つの産出額で静岡県と鹿児島県の順位が入れ替わること

荒茶産出額なら静岡県が1位

農林水産省「令和6年生産農業所得統計」の荒茶産出額は、静岡県99億円(全国シェア31.5%)、鹿児島県84億円、京都府61億円、全国314億円です(静岡県「茶栽培面積、荒茶産出額 日本一」)。県が「日本一」と掲げているのはこの数字です。

茶産出額(生葉と荒茶の合計)なら鹿児島県が上

一方、静岡県お茶振興課の資料にある府県別の茶産出額は、生葉産出額と荒茶産出額の合計です。令和6年は静岡県214億円、鹿児島県241億円、京都府97億円、三重県52億円、福岡県32億円、全国763億円です(静岡県「静岡県茶業の現状」(令和8年3月))。

同じ「産出額」でも、荒茶だけなら静岡県が1位、生葉を含めると鹿児島県が上です。資料には「荒茶産出額」「茶産出額(生葉と荒茶の合計)」と正式名で書き分けてください。

県内の作物別で見ると茶はみかん・米の後ろ

同じ資料の県内作物別産出額(令和6年)では、茶214億円のシェアは8.93%で、みかん326億円(13.61%)、米269億円(11.23%)の後ろです。県の農業産出額の計は2,396億円です。「静岡の農業といえば茶」という前置きで資料を始めると、金額の並びと合わなくなるので、産出額の話をするときは順位を確かめてから書きます。

市町別の数字はどこまで公表されているか(静岡市・浜松市を含む)

県内のどの市町が主産地かを示したいときは、使える統計が限られます。

市町別茶産出額の上位市を中央の県計から左右に分けて並べた図
市町別茶産出額(令和5年)の上位と、静岡市・浜松市の位置

市町別の産出額は令和5年まで

市町別茶産出額(生葉と荒茶の合計、単位は億円)の令和5年の値は、牧之原市40、島田市38、掛川市28、菊川市25、静岡市18、富士市14、磐田市12、袋井市9、沼津市9、浜松市7、藤枝市6、川根本町5、御前崎市5、森町4、富士宮市4です。県計は223億円で、主な市町だけの掲載なので表の合計は県計と一致しません(静岡県「静岡県茶業の現状」(令和8年3月))。

牧之原市・島田市・掛川市・菊川市の中東遠から志太榛原が中心で、静岡市と浜松市はどちらも産地に入っています。静岡市は旧清水市の茶産地を含み、浜松市は旧春野町・旧天竜市の山間地を含みます。県の資料でも県庁所在地と政令市の両方が産地として並んでいる点は、静岡市だけ、浜松市だけを県の代表にしないための根拠になります。

市町別の荒茶生産量と茶園面積は平成21年で調査廃止

市町別の荒茶生産量と茶園面積は、平成21年度以降に調査が廃止されています。最後の平成21年の荒茶生産量は牧之原市5,770t、島田市5,340t、掛川市5,290t、菊川市3,980t、静岡市3,240t、浜松市860tです。茶園面積も同じ年で、牧之原市2,610ha、静岡市2,440ha、島田市2,380ha、掛川市2,360ha、菊川市1,700ha、浜松市950haです。

平成21年の数字は古いので、現在の産地の規模として引用するのは避けます。「市町別の生産量は平成21年を最後に公表されていない」と書き、比較したいなら令和5年の産出額を使います。

県の施策と相談先|茶業振興計画とChaOIプロジェクト

静岡県茶業振興計画(2025〜2028年)

静岡県は「静岡県茶業振興計画」を2025年から2028年までの4年間で進めています。柱は、茶業の構造改革による生産力強化、輸出拡大と供給力の強化、静岡茶ブランド構築と文化継承の3本です(静岡県「静岡県茶業振興計画を策定しました(2025~2028年)」(2026年4月6日更新))。

お茶振興課とChaOIプロジェクト

県のお茶振興課は、令和2年度から「ChaOIプロジェクト」を推進し、静岡茶海外戦略展開支援事業、しずおか有機茶バリューチェーン構築事業、静岡茶ブランディングプロジェクトなどを担当しています。統計資料「静岡県茶業の現状」もこの課が毎年3月に更新しています。問い合わせ先は静岡県経済産業部農業局お茶振興課(静岡市葵区追手町9-6、054-221-2674)です(静岡県「お茶振興課」(2026年8月10日更新))。

茶園の集約と事務の生成AI活用

農地の面では、農地中間管理機構が令和6年度に貸し付けた茶園は224.2haで、令和7年3月末時点の契約中の茶園の貸付面積の計は1,316.9ha、全作物の18.5%です。茶園の集約が県の施策として動いていることを示す数字として使えます。

茶業者の事務や販路の作業に生成AIをどう入れるかは、静岡の茶業と生成AIの記事にまとめています。出荷書類の下書きについては静岡の農業の書類仕事を生成AIで進める記事が参考になります。

生成AIに任せる工程と人がやる工程

統計を資料に使うときの作業を、人がやる工程と生成AIに任せる工程に分けます。

人がやる3つの確認から生成AIの文章化へ進む工程を左から右に並べた図
指標・年次・分母を人が確定させてから文章化を任せる流れ

数字の確定は人がやる

どの指標を使うか、どの年次か、分母が主産県計か全国かを決めるのは人の仕事です。生成AIに「静岡県の茶の生産量は」と聞いて返ってきた数字をそのまま載せると、一番茶と年間、荒茶産出額と茶産出額、古い年次の混在が起きます。数字は必ず県のお茶振興課の資料か農林水産省の統計から取ります。

文章化と書き分けはAIに任せる

決めた数字を説明文にする、社内向けと取引先向けで書き分ける、表の体裁を整える、といった作業は任せられます。プロンプトには次の3つを入れます。

  • 使ってよい数字を、指標名・年次・出典つきで列挙し、「この数字以外は使わない」と書く
  • 「数字を丸めない、合計しない、割合を計算しない」と書く
  • 「順位を書くときは指標名を必ず添える」と書く

検索機能は切って、渡した範囲だけで書かせるほうが事故が減ります。書き上がったら、数字が資料の値と1つずつ一致するかを人が照合します。

「どの調査の何年か」を確かめる癖

製造品出荷額でも同じことが起きますが、統計は調査名と年次で値が変わります。静岡県の製造品出荷額の早見表の記事で書いた「どの調査の何年かを確かめる」手順は、茶の統計にもそのまま使えます。県の全国順位を資料に使うときの分担は静岡県の全国順位を資料に使う記事を参照してください。

よくある質問

Q. 静岡県の茶の生産量は全国何位ですか。
荒茶生産量では令和7年産が24,100tで全国2位です。1位は鹿児島県の30,000tです。栽培面積は11,600haで1位、荒茶産出額は令和6年に99億円で1位です。指標によって順位が違うので、資料には指標名を添えてください。

Q. 鹿児島県に抜かれたのはいつからですか。
年間の荒茶生産量では令和6年産からです。令和6年産は静岡県25,800t、鹿児島県27,000tでした。令和7年産は静岡県24,100t、鹿児島県30,000tです。一番茶だけの統計でも、令和7年産で鹿児島県が初めて1位になりました。

Q. 「静岡はお茶日本一」と資料に書いてもよいですか。
栽培面積と荒茶産出額なら県公式ページが「日本一」と掲げています。荒茶生産量は2位なので、指標を書かずに「日本一」とだけ書くのは避けてください。「栽培面積で全国1位」のように書きます。

Q. 市町別の生産量はどこで見られますか。
市町別の荒茶生産量と茶園面積は平成21年度以降に調査が廃止されています。市町別に比べるなら「静岡県茶業の現状」に載っている市町別茶産出額(令和5年が最新)を使います。

Q. 次の統計はいつ出ますか。
一番茶の統計は8月、年間の統計は翌年2月に農林水産省が公表しています。令和7年産の一番茶は令和7年8月19日、年間は2026年2月20日に公表されました。県の「静岡県茶業の現状」は毎年3月に更新されます。

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参考・出典