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【2026年最新】焼津・沼津の水産加工×生成AI|書く仕事を7つ減らす

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【2026年最新】焼津・沼津の水産加工×生成AI|書く仕事を7つ減らす

焼津・沼津の水産加工業が生成AIを最初に効かせるなら、取引先に出す規格書、ECとふるさと納税の商品説明文、輸出の英語メール、外国人スタッフ向けの作業手順書の4つからです。衛生管理の記録そのものは、最初から対象外にしてください。

水産加工は、同じ食品でも茶や菓子と比べて「書かなければならない書類」が多い業種です。衛生管理の手順書、量販店ごとに様式の違う規格書、原料相場に合わせて書き直す商品説明、輸出先ごとに求められる文書、そして日本語を母語としないスタッフに向けた作業手順書。どれも売上を直接生まないのに、工場長・品質管理・営業事務の時間を静かに削っていきます。この記事では、その「書く仕事」を7つに分け、生成AIに任せてよい範囲と、絶対に任せてはいけない範囲を線引きしながら整理します。

水産加工の現場で、紙と文章に時間が消えている場所

水産加工の現場に溜まる「書く仕事」の6領域
水産加工の現場に溜まる「書く仕事」の6領域

まず、静岡の水産加工がどれだけの規模で動いているかを公的な数字で確認します。焼津市の公表によると、令和7年の焼津の水揚げ(焼津港と小川港の合計)は数量117,214トンで全国4位、金額469億円で全国1位でした(漁協への聞き取りを参考にした数値・金額は税込み)。加工品でも、静岡県の「Myしずおか日本一」によれば、令和6年のまぐろ類缶詰の生産量は19,740.0トンで全国の98.6%、かつお缶詰は9,250.8トンで全国の100%を占めます。干しあじは8,131トンで全国シェア48.8%、沼津や伊東での生産が盛んです。

これだけの量が動くということは、それだけの数の取引と、それに付随する文書が動くということでもあります。県内の水産加工会社で発生する「書く仕事」を分解すると、おおむね次の7領域に収まります。

  • 衛生管理の手順書HACCPに沿った衛生管理のための手順書、従業員向けの説明資料
  • 規格書:量販店・卸・生協ごとに様式が異なる商品規格書、仕様変更の連絡文
  • 商品説明文:自社EC、モール、ふるさと納税ポータル、店頭POP、季節ギフトのカタログ
  • 輸出の英語メール:海外バイヤーからの問い合わせ返信、展示会の事前連絡、英文の商品説明
  • 作業手順書:工程ごとの標準作業、新人および外国人スタッフ向けのマニュアル
  • 問い合わせの一次回答:消費者からの品質・鮮度・表示に関する問い合わせへの返信
  • 社内の連絡文:シフト連絡、朝礼メモ、原料入荷の共有、会議の議事録

このうち生成AIが向いているのは「型が決まっていて、事実は手元にあり、文章に起こす手間だけがかかっている」ものです。逆に、事実そのものを作り出す作業——つまり記録、検査結果、法令の判断は、後述するとおり最初から対象外にします。

衛生管理の手順書は下書きまで、記録そのものはAIに書かせない

衛生管理で生成AIに任せてよい範囲と、任せてはいけない範囲
衛生管理で生成AIに任せてよい範囲と、任せてはいけない範囲

厚生労働省は「令和3年6月1日から、原則として、すべての食品等事業者の皆様にHACCPに沿った衛生管理に取り組んでいただくことになりました」としています。事業者に求められるのは、衛生管理計画を作成して従業員に周知徹底を図ること、そして衛生管理の実施状況を記録し、保存することです。水産加工は原料が生鮮で温度管理の要求が厳しく、この負荷が乾物や常温品より重くのしかかります。

ここで生成AIに任せてよいのは、文章を整える部分だけです。

  • 任せてよい:手順書の文章の下書き、記録様式のたたき台、従業員向けの説明文(なぜこの温度なのかを平易に書き直すなど)
  • 任せてはいけない:日々の記録の記入、記録の保存、衛生管理計画の最終決定

厚生労働省のサイトには、業界団体が作成し同省が内容を確認した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」が業種別に掲載されており、その中には小規模な水産加工業者向けのものもあります。自社の業態に合う手引書のPDFが手元にあるなら、それを読み込ませて工程に合わせた下書きを作らせるのが最短です。

プロンプトの例:「添付の手引書と、下に貼る当社の工程メモをもとに、冷凍原料の受入検温の手順書を作ってください。手引書に書かれていない基準値を勝手に入れないでください。判断が必要な箇所は【要確認】と書いて空欄のままにしてください」。

越えてはいけない一線

記録とは、実際に測った値・実際に行った作業を、その日に書き残したものです。生成AIに記録の中身を作らせることは、記録の改ざんそのものです。過去の記録から欠けている日を「それらしく」埋めさせるのも同じで、監査や事故対応の場面ではまず耐えられません。手順書の文章と、記録の中身は、はっきり分けて扱ってください。この線を守れないなら、衛生管理まわりでは使わない方が安全です。

量販店・取引先に出す規格書と提案書のたたき台を作る

水産加工の営業事務でとりわけ重いのが、提出先ごとに様式の違う規格書です。原材料名、原産地、添加物、アレルゲン、栄養成分、賞味期限、保存方法、製造工程、包装形態、輸送温度帯。項目自体は自社の事実で決まっているのに、提出先ごとに並び順も語彙も違うため、毎回の転記と確認に時間が溶けます。

生成AIの使いどころは「値を作ること」ではなく「値を並べ替えること」と「抜けを指摘させること」です。

規格書まわりの作業 生成AIの使い方 人がやること
他社様式への転記 自社の標準版から、先方様式の項目順に並べ替えた下書きを作る 数値と表記の最終照合
項目の抜け漏れ確認 先方の様式と自社の記入内容を突き合わせ、空欄と不整合を一覧にする 空欄を埋める根拠の確認
仕様変更の連絡文 変更前後の差分から、取引先向けの説明文を起こす 変更理由と影響範囲の判断
提案書のたたき台 商品特徴と販売実績のメモから、量販店向け提案の骨子を作る 価格・数量・納期の決定

プロンプトの例:「下に貼る2つを比べてください。(1)当社の商品規格書の記入内容、(2)取引先から届いた規格書の様式。(2)の項目のうち(1)に対応する情報がないものを表にして、『不足』『表記ゆれ』『要確認』に分類してください。値の推測は禁止です」。

アレルゲン、栄養成分、原産地といった値そのものは、検査結果や仕入先の証明書から人が転記してください。ここを生成AIに「たぶんこうだろう」で埋めさせると、規格書という文書の性質上、そのまま出荷判断や表示に流れてしまいます。

ふるさと納税とECの商品ページを、相場が動いても書き直せる形にする

缶詰、干物、かつお節、練り製品は、ふるさと納税の返礼品としても自社ECの主力としても定番です。ただし水産加工品の商品ページは「同じ文章を1年使い回す」ことが難しい。原料相場と漁の状況で内容量やセット構成が変わり、そのたびに説明文を書き直す必要が出るからです。

そこで、書き直しを前提にした作り方に切り替えます。

  1. 事実カードを1商品1枚で持つ:魚種、産地、加工方法(背開き、一夜干し、荒節と枯節の別など)、内容量、賞味期限、保存方法、アレルゲン、価格。ここだけを人が管理します。
  2. 用途別のテンプレを作らせる:自社EC用(長文)、モール用(文字数制限あり)、ふるさと納税ポータル用(自治体の記載ルールあり)、ギフトカタログ用(短文)の4種類。
  3. 差し替えは事実カードだけ:内容量やセット構成が変わったら、事実カードを直して再生成します。文章を直接いじらないのがコツです。

プロンプトの例:「下の事実カードだけを使って、ふるさと納税ポータル用の返礼品説明を250字で3案書いてください。事実カードにない受賞歴・健康効果・『日本一』などの表現は書かないでください。魚種と加工方法は必ず本文に入れてください」。

食品の表示と広告表現には法令上の制約があり、生成AIは指示が曖昧だと、それらしい効能や受賞歴を作ります。出す前の事実照合は人の仕事として必ず残してください。同じ食品でも茶業での進め方は「静岡の茶業×生成AIの活用手順」で整理しています。

輸出の英語文書は下書きまで、証明書と施設認定は行政の手続き

缶詰やかつお節、干物の輸出、あるいは海外の展示会経由の問い合わせがある会社では、英語のやりとりが特定の担当者に集中しがちです。ここは生成AIで一次対応を内製できます。

  • 問い合わせの返信:届いた英文を貼り付けて「要点を日本語で3行に要約し、確認すべき点を箇条書きにして」。返信は日本語で書いてから英訳させます。
  • 商品説明の英訳:「かつお節」「荒節」「枯節」「一夜干し」「すり身」といった語は訳がぶれます。自社の訳語集を先に渡して固定してください。
  • 展示会・商談の準備:想定質問と回答の英語版を作らせ、現地で配る一枚資料の下書きにします。

プロンプトの例:「下の訳語集に従って、この商品説明を英訳してください。訳語集にない専門用語が出てきたら訳さずローマ字表記のまま残し、末尾に一覧で挙げてください。栄養や効能の表現は、原文にないものを足さないでください」。

一方で、輸出に必要な書類は下書きの対象外です。輸出先国の政府機関から求められる輸出証明書のうち国が発行するものについては、農林水産省が申請の案内を出しており、窓口は各地方農政局等とされています。何がどこまで必要かは輸出先の国・地域ごとに異なります。証明書や施設の認定に関わる書類は、必ず公式の案内と窓口、そして必要に応じて専門家に確認してください。生成AIに書かせてよいのは、商談のメールと商品説明までです。

食品工場の作業手順書を、やさしい日本語と多言語で作り直す

静岡労働局の発表によると、令和7年10月末時点の県内の外国人労働者数は88,968人で、届出が義務化されて以降の過去最高を更新し、都道府県別では全国7位です。産業別では製造業が32,694人で全体の36.7%を占め、そのうち食料品製造業は7,006人(全体の7.9%)でした。在留資格別では技能実習が18,211人(全体の20.5%)、特定技能が8,377人です。

水産加工の現場は、この構成がそのまま当てはまる職場です。手順書が日本語の長文のままだと、実際には口頭とジェスチャーで伝わり、人が入れ替わるたびに伝言のズレが積み上がります。生成AIは、この「書き直し」を現実的な工数に落とします。

  1. まず日本語をやさしくする:既存の手順書を貼り付けて「小学校高学年が読める日本語に書き直して。1文は40字以内。専門用語は残して、初出でカッコ書きの説明を付けて」と指示します。
  2. 次に多言語版を作るやさしい日本語版から翻訳させます。自社で人数の多い言語から優先するのが現実的です。
  3. 最後に現場で読み合わせる:翻訳の正しさは、その言語を母語とするスタッフと現場責任者が一緒に確認します。

プロンプトの例:「下の作業手順を、やさしい日本語に書き直してください。1文40字以内、1手順1文、命令形で。温度・時間・回数の数字は絶対に変えないでください。危険につながる注意事項は文末に『【注意】』を付けて別行にしてください」。

安全と衛生に直結する手順(刃物、フォークリフト、殺菌、金属探知機、アレルゲンの切り替え洗浄など)は、翻訳の出来を人が必ず確認してください。ここだけは、読みやすさより正確さを優先します。教え方そのものの設計は「中小企業の生成AI研修の設計手順」で扱っています。

お客様相談室に来る問い合わせへ、一次回答の型を用意する

消費者からの問い合わせは、内容が重いものほど、最初の返信の速さと正確さで後の展開が変わります。水産加工でよくあるのは、異物の申し出、鮮度・におい・変色、賞味期限や解凍方法、アレルゲン表示、配送中の温度に関する連絡です。

一次回答に必要な要素は決まっています。生成AIには、この型に沿った下書きだけを作らせます。

  • 連絡をもらったことへの謝意と、内容を正確に受け取ったことの確認
  • 現時点では原因を断定していないこと(推測を書かない)
  • 現品の保管のお願いと、必要な情報(賞味期限、ロット番号、購入店)の依頼
  • いつまでに、誰から、どの方法で次の連絡をするか

プロンプトの例:「下の問い合わせ内容に対する一次回答を200字で書いてください。原因の推測、安全性の断定、返金や交換の約束は書かないでください。現品の保管のお願いと、次回連絡の期限(3営業日以内)を必ず入れてください」。

原因の調査結果や、健康被害の可能性の判断は、社内の品質管理と、必要なら保健所への相談を経てからです。一次回答は「受け取りました、調べます、いつ連絡します」までに絞る。これを型として持っておくと、担当者が誰であっても同じ品質で返せます。

AIに入れない情報と、AIに判断させない3つの領域

AIに入れない情報と、AIに判断させない3つの領域
AIに入れない情報と、AIに判断させない3つの領域

ここまでの使い方を安全に回すには、紙2枚のルールが要ります。1枚目は「入れない情報」、2枚目は「任せない判断」です。

入れない情報の例です。

  • 取引先の規格書や仕様書など、先方から受け取った秘密情報
  • 原価と歩留まり、仕入価格、取引条件
  • 検査結果の生データ(微生物検査、理化学検査など)
  • 従業員の個人情報(在留カードの記載事項や健康診断の結果を含む)
  • 未公開の新商品情報、商談中の案件の詳細

そして、AIに判断させない領域は次の3つです。ここは工程の性質上、どれだけ便利でも譲れません。

  1. 衛生記録の作成:測った値・行った作業を書き残すのは人の行為です。AIが書いた記録は記録になりません。
  2. 原料の安全性判断:受入原料の可否、鮮度の判定、異常のあるロットの扱いは、現物と検査結果を見た人が決めます。
  3. 法令適合の可否判断:食品表示、輸出の要件、施設の要件が満たされているかどうかの結論は、行政の窓口と専門家に確認します。

この2枚は、A4で1枚ずつあれば十分です。従業員が10人でも、「入れない情報」と「任せない判断」を紙で貼っておくだけで、事故の大半は防げます。ツールの導入や社内整備の費用は、国や市の補助金の対象となる場合があります(要件審査あり)。制度の全体像は「静岡で使えるAI導入補助金の早見表」で整理しています。

よくある質問

HACCPの記録を生成AIに書かせてもよいですか

いけません。記録は、実際に測った値・実際に行った作業を書き残したものです。生成AIに作らせた記録は記録ではなく、監査や事故時の説明に耐えません。任せてよいのは、手順書の文章の下書き、記録様式のたたき台、従業員向けの説明文までです。

無料プランでも使えますか。有料に切り替える判断はどこですか

主要な生成AIサービスは無料プランから試せます。まずは無料で1業務を2週間試すのが現実的です。有料を検討するのは、規格書のPDFなど長い資料を毎回読み込ませる必要が出てきたときや、社内で複数人が使い始めて、入力内容の管理を会社側で行いたくなったときです。

取引先から受け取った規格書を、そのまま貼り付けても大丈夫ですか

先方の秘密情報にあたるため、原則として貼り付けないでください。どうしても様式の比較が必要な場合は、社名・価格・取引条件を伏せ、項目名だけを残した形に加工してから使います。契約に守秘義務の定めがあるときは、契約書の条項を先に確認してください。

英語のやりとりを生成AIに任せて、誤訳のトラブルは起きませんか

商談メールと商品説明の下書きに用途を限れば、リスクは管理できます。訳語集を先に渡して専門用語を固定し、送る前に日本語の原文と突き合わせてください。契約書、証明書、行政に提出する書類は、はじめから対象外にします。

従業員が少なく、教える時間がありません。何から始めればよいですか

いま最も時間を食っている「書く仕事」を1つだけ選び、担当者1人が2週間使うところから始めてください。前掲の7領域のうち、多くの会社では規格書の転記か商品説明文が最初の一手になります。効果が見えてから、ルール2枚を作って横に広げます。

参考・出典

まとめ:焼津・沼津の強みは「書く時間」を返すことで伸ばす

缶詰でも干物でも全国有数のシェアを持つ静岡の水産加工は、原料と加工技術という譲れない強みを持っています。生成AIはその強みには触れません。触るのは、規格書・商品説明・輸出メール・作業手順書・一次回答といった、周辺で膨らんだ書く仕事の方です。

今週やることは1つで足ります。工場長・品質管理・営業事務の3人に、1週間だけ「文章を書いていた時間」をメモしてもらってください。多い順が、そのまま導入の順番です。そのうえで、衛生記録の作成・原料の安全性判断・法令適合の可否判断の3つは対象外だと最初に決めておく。この線引きさえ先にあれば、あとは試すだけです。

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