この記事の要点
キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者といった非正規雇用労働者を正社員にしたり、賃金や賞与の仕組みを良くしたりした事業主に、国が支給する助成金です。厚生労働省の令和8年度版パンフレット(令和8年4月8日現在)では、正社員化コースの助成額は中小企業で1人当たり最大80万円(重点支援対象者を有期雇用から正規雇用に転換した場合・40万円×2期)、賃金規定等改定コースは基本給を3%以上引き上げた有期雇用労働者等1人当たり4万円から7万円です(厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(パンフレット・令和8年4月8日現在))。どのコースも、取組の前日までに「キャリアアップ計画」を労働局へ出していなければ対象になりません。静岡県内の事業所の受付・相談窓口は、令和8年6月1日から静岡労働局の助成金センター(静岡安藤ハザマビル2階)に変わっています(静岡労働局「令和8年9月28日(月)から一部助成金の受付・相談窓口が変更となりました!」(PDF))。
この記事では、5コースの助成額の早見表、自社の金額を出す計算表、計画の提出から支給申請までの期限、県内の窓口、書類づくりで生成AIに任せてよい範囲をまとめます。助成の対象となる場合があります(要件審査あり・支給を保証するものではありません)。
キャリアアップ助成金はどんな取組に出る助成金か
最初に、どの取組がどのコースに当たるのかを整理します。名前が似たコースが多いので、自社がやろうとしていることから逆に引くと迷いません。

正社員化支援と処遇改善支援の5コース
パンフレットは、この助成金を「有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員転換、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度」と説明しています。コースは「正社員化支援」と「処遇改善支援」に分かれ、令和8年度版のパンフレットが扱うのは次の5コースです。障害者正社員化コースはこのパンフレットの対象外です。
| 区分 | コース | 対象になる取組 |
|---|---|---|
| 正社員化支援 | 正社員化コース | 有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換する |
| 処遇改善支援 | 賃金規定等改定コース | 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、その規定を適用する |
| 処遇改善支援 | 賃金規定等共通化コース | すべての有期雇用労働者等に、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用する |
| 処遇改善支援 | 賞与・退職金制度導入コース | すべての有期雇用労働者等に賞与・退職金制度を新たに設け、支給または積立てを実施する |
| 処遇改善支援 | 短時間労働者労働時間延長支援コース | 雇用する短時間労働者を新たに社会保険に加入させるとともに、労働時間の延長等を行う |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(パンフレット・令和8年4月8日現在)
全コースに共通する事業主の条件
パンフレットは、次のすべてに当たる事業主を対象としています。
- 雇用保険適用事業所の事業主であること
- 雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を置いていること(複数の事業所や労働者代表との兼任はできません)
- 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄の労働局長に提出していること
- 実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況、賃金の支払い状況などを明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにできること
- キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んでいること
一方で、支給申請した年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納めていない事業主や、支給申請日の前日から過去1年間に労働関係法令の違反を行った事業主などは受給できません。助成金の支給申請事務を代理人に委ねていても、申請は事業主名で行われるため、内容が不正受給に当たる場合は事業主も処分の対象になります。
コース別の助成額の早見表
ここからが早見表です。金額はすべて令和8年度版パンフレットの値で、中小企業か大企業かで額が変わります。

正社員化コース(1人当たり)
| 対象者 | 企業規模 | 有期雇用労働者から正規雇用 | 無期雇用労働者から正規雇用 |
|---|---|---|---|
| 重点支援対象者 | 中小企業 | 80万円(40万円×2期) | 40万円(20万円×2期) |
| 重点支援対象者 | 大企業 | 60万円(30万円×2期) | 30万円(15万円×2期) |
| 上記以外 | 中小企業 | 40万円(40万円×1期) | 20万円(20万円×1期) |
| 上記以外 | 大企業 | 30万円(30万円×1期) | 15万円(15万円×1期) |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金(正社員化コース)のご案内」(リーフレット・令和8年4月8日版)
重点支援対象者は、次のa〜cのいずれかに当たる人です。
- a:雇入れから3年以上の有期雇用労働者
- b:雇入れから3年未満で、過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下、かつ過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない有期雇用労働者
- c:派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者は、無期雇用労働者とみなされます。新規学卒者で雇入れから一定期間が経っていない人は支給対象外です。申請できる人数は、1年度1事業所当たり20名までです(同一対象者の2回目の申請を除く)。
このほか、1事業所当たり1回だけ、次の加算があります。
| 加算の対象になる措置 | 加算額 |
|---|---|
| 正社員転換制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合 | 20万円(大企業15万円) |
| 多様な正社員制度(勤務地限定・職務限定・短時間正社員のいずれか1つ以上)を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合 | 40万円(大企業30万円) |
| 正規雇用労働者への転換等に係る所定の情報を自ら管理するウェブサイトまたは職場情報総合サイト(しょくばらぼ)に公表した場合 | 20万円(大企業15万円) |
3つ目の「しょくばらぼ」等への公表は、令和8年度版のリーフレットで「NEW!」と表示されている加算です。
賃金規定等改定コース(1人当たり)
| 賃金の引上げ率 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 3%以上4%未満 | 4万円 | 2.6万円 |
| 4%以上5%未満 | 5万円 | 3.3万円 |
| 5%以上6%未満 | 6.5万円 | 4.3万円 |
| 6%以上 | 7万円 | 4.6万円 |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(パンフレット・令和8年4月8日現在)
申請できる人数は1年度1事業所当たり100名までです。加算は1事業所当たり1回で、「職務評価の手法の活用により賃金規定等を増額改定した場合」と「有期雇用労働者等に適用される昇給制度を新たに規定した場合」が、それぞれ20万円(大企業15万円)です。
改定の対象は「賃金規定」だけではありません。リーフレットは、「賃金テーブル」や「賃金一覧表」も増額改定の対象とみなすとしています。既存の規定を改定する場合は、対象労働者がいない等級も含めて全部の等級を3%以上増額していることが必要です(厚生労働省「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)のご案内」(リーフレット))。
もう1つ、時期に注意が要る決まりがあります。パンフレットは、最低賃金法に定める最低賃金の効力が生じた日以降に賃金規定等を増額した場合、「当該最低賃金に達するまでの増額分は含めない」としています。静岡県内でも、最低賃金の改定日の前後に時給の表を見直す会社は、3%の数え方を労働局に確かめてから改定日を決めてください。
賃金規定等共通化コースと賞与・退職金制度導入コース(1事業所当たり)
| コース | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 賃金規定等共通化コース | 60万円 | 45万円 |
| 賞与・退職金制度導入コース(賞与または退職金制度のいずれかを導入) | 40万円 | 30万円 |
| 賞与・退職金制度導入コース(賞与及び退職金制度を同時に導入) | 56万8,000円 | 42万6,000円 |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(パンフレット・令和8年4月8日現在)
どちらも1事業所当たり1回だけの支給です。人数で増えるのではなく、制度を作って「すべての有期雇用労働者等」に適用したことに対して出ます。
短時間労働者労働時間延長支援コース(1人当たり)
このコースは、パンフレットで「当分の間の暫定措置」とされています。1年目は、雇用する短時間労働者を新たに社会保険に加入させるとともに労働時間の延長等を行った場合、2年目は、その後さらに労働時間の延長またはキャリアアップのための取組を行った場合に出ます。
| 取組 | 小規模企業 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|---|
| 1年目の取組 | 50万円 | 40万円 | 30万円 |
| 2年目の取組 | 25万円 | 20万円 | 15万円 |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(パンフレット・令和8年4月8日現在)
1年目は、週の労働時間を延ばした時間と基本給の引上げ率の組合せで条件が決まります。パンフレットの表では、延長が5時間以上なら引上げ率の条件はなく、4時間以上5時間未満なら5%以上、3時間以上4時間未満なら10%以上、2時間以上3時間未満なら15%以上の引上げが組み合わされています。2年目は「労働時間をさらに2時間以上延長」「基本給をさらに5%以上増加」「昇給、賞与もしくは退職金制度の新たな適用」のいずれかです。小規模企業に当たるかどうかの確認が要るのはこのコースだけです。
自社の金額を出す計算表
早見表の額は1人当たりか1事業所当たりかがコースで違います。ここを取り違えると、見込みが大きくずれます。
1人当たりの額に人数を掛け、加算は1回だけ足す
計算の形は次の2通りです。
- 正社員化コースと賃金規定等改定コース、短時間労働者労働時間延長支援コース:早見表の「1人当たりの額」×人数。人数には年度ごとの上限(正社員化コースは20名、賃金規定等改定コースは100名)があります
- 賃金規定等共通化コースと賞与・退職金制度導入コース:1事業所当たりの額をそのまま1回
加算額は、該当する措置ごとに1事業所当たり1回だけ足します。厚生労働省のリーフレットには、中小企業がA部門で働くパートタイマー20人の基本給を6%以上引き上げた場合、「140万円支給(70,000円×20人)」という助成例が載っています(厚生労働省「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)のご案内」(リーフレット))。
書き込んで使う計算表
社内で検討するときは、次の表を写して埋めると、どの行の額を使ったかが後から追えます。
| 書く欄 | 書き込む内容 | 早見表のどこを見るか |
|---|---|---|
| コース | 例:正社員化コース | 5コースの表 |
| 企業規模 | 中小企業か大企業か | 各表の列 |
| 区分 | 例:重点支援対象者・有期雇用から正規雇用 | 正社員化コースの行 |
| 人数 | 年度の上限を超えていないか | 正社員化コース20名/賃金規定等改定コース100名 |
| 1人当たりの額 | 早見表の該当セルの額 | 各表のセル |
| 小計 | 1人当たりの額×人数 | ― |
| 加算 | 該当する措置ごとに1回 | 加算の表 |
| 取組の予定日 | 転換日・改定日 | 計画はこの前日までに提出 |
ここで出る額は、支給申請をしたときの上限の目安です。実際に支給されるかどうかと金額は、労働局の審査で決まります。
計画の提出から支給申請までの期限
キャリアアップ助成金で一番多いつまずきは、順番の取り違えです。取組を先にしてしまうと、後から計画を出しても間に合いません。

取組の前日までにキャリアアップ計画を出す
キャリアアップ計画は、パンフレットの言葉では「労働者のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるための、今後の大まかなイメージを記載した計画」です。正社員化コースなら正規雇用労働者に転換する前日まで、賃金規定等改定コースなら賃金規定等を増額改定する前日までに作成し、労働局へ提出しておく必要があります(厚生労働省「キャリアアップ助成金(正社員化コース)のご案内」(リーフレット・令和8年4月8日版))。転換の制度を就業規則などに書いておくことも、正社員化コースの条件です。
計画書を作るときの留意点として、パンフレットは4つを挙げています。
- 雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を決める(複数の事業所や労働者代表との兼任はできない)
- 3年以上5年以内の計画期間を定める(5年の計画期間が満了した後も続ける場合は、変更届ではなく新しい計画書を出す)
- 計画対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取組を、活用するコースに沿って書く(計画書は雇用保険適用事業所単位で作り、労働者ごとには作らない)
- 有期雇用労働者等を含む「全ての労働者の代表」から意見を聴く
計画の提出と支給申請は、窓口への持参、郵送、電子申請のどれでもできます。電子申請は雇用関係助成金ポータル(https://www.esop.mhlw.go.jp/)で行い、GビズIDが要ります。提出済みの計画の内容を変える場合は変更届を出しますが、同じコースの中で取組内容だけを変える場合は変更届は要りません。
転換・改定のあと6か月分の賃金を払う
正社員化コースでは、転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間の賃金より3%以上増額させていることが条件です。賃金規定等改定コースでは、改定後の規定に基づいて6か月分の賃金を支給していることが条件になります。
正社員化コースでいう「正規雇用労働者」には定義があります。同じ事業所の正規雇用労働者に適用される就業規則が適用され、しかも「賞与または退職金の制度」と「昇給」が転換時点で適用されている人に限られます。支給対象期間中に予定されている賞与や昇給が適用されていないと、支給の対象にならない場合があります。
支給申請は6か月分を払った日の翌日から2か月以内
支給申請の期間は、取組後6か月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内です。重点支援対象者は、さらに6か月雇用したあとに2期目の申請ができます。給与の締め日と支払日がずれる会社は、「支払った日」を基準に数えるので、カレンダーに申請期間の初日と最終日を書き込んでおくと漏れません。
県内で対象になりうる人の数を押さえておく
静岡県の統計の特集(令和4年就業構造基本調査)によると、県内の雇用者は176万9千人で、前回(平成29年)より2万7千人(1.6%)増えました。雇用者に占める正規の職員・従業員の割合は男性が71.5%、女性が43.7%で、女性はパートが36.4%を占めます(静岡県「令和4年就業構造基本調査の結果(特集)」(PDF))。総務省の集計では、県内の役員を除く雇用者167万人のうち非正規は63万1,500人で、有業者に占める割合は32.4%(全国31.6%)です(総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要(都道府県)」(PDF))。自社の非正規の人数を同じ区分で数えておくと、どのコースで何人が対象になりうるかを計画に書きやすくなります。
静岡県内の申請窓口と相談先
静岡労働局は、令和8年6月1日から一部の助成金の受付・相談窓口を変えました。キャリアアップ助成金はその対象です。

キャリアアップ助成金の窓口は助成金センター(静岡安藤ハザマビル2階)
静岡労働局の最新の案内(令和8年9月28日版)では、キャリアアップ助成金、トライアル雇用助成金、早期再就職支援等助成金、産業雇用安定助成金の受付・相談窓口は助成金センター(静岡安藤ハザマビル2階)で、電話は054-653-6116です。問い合わせるときは、助成金の名前を伝えます。9月28日の変更は特定求職者雇用開発助成金の窓口の移転と雇用調整助成金の電話番号で、キャリアアップ助成金の窓口は変わっていません(静岡労働局「令和8年9月28日(月)から一部助成金の受付・相談窓口が変更となりました!」(PDF))。
郵送先は静岡地方合同庁舎、電子申請は雇用関係助成金ポータル
計画書や支給申請書を郵送する場合の宛先は、助成金センターのビルではなく、〒420-8639 静岡市葵区追手町9-50 静岡地方合同庁舎内の静岡労働局職業安定部職業対策課です。職業対策課のページは、封筒に助成金名を書き、配達記録が残る方法で送ること、郵送は到着日が受付日になること、控えの返送はしないことを案内しています(静岡労働局「雇用関係助成金」(職業安定部職業対策課))。電子申請は雇用関係助成金ポータルから行えます。
無料で相談できる先と説明会
要件の確認や就業規則の改定は、静岡働き方改革推進支援センターで労務管理の専門家に無料で相談できます(静岡市「静岡働き方改革推進支援センターでの無料相談」)。静岡労働局とJEED静岡支部は、2026年度下期の「雇用管理及び助成金制度事業主説明会」を10月19日の掛川から11月16日の三島まで県内7会場で開き、参加は無料で、キャリアアップ助成金(正社員化・賃金アップ)や人材確保等支援助成金などを説明します。定員と申込締切は会場ごとに違います(静岡労働局「2026年度下期 雇用管理及び助成金制度事業主説明会」(PDF))。
生成AIに任せる書く仕事、任せない判断
キャリアアップ助成金の準備は、就業規則や賃金規定の文書づくりと、期限の管理が中心です。文書の下書きと一覧づくりは生成AIで速くなりますが、対象者や賃金額を決めること、要件に合うかどうかの判断は会社と労働局の仕事です。

任せてよい下書き
- 正社員転換制度や多様な正社員制度を就業規則に書き足すときの、現行条文と改定案の比較表の下書き
- 時給表・等級表の改定前と改定後を並べた新旧対照表と、等級ごとの引上げ率の一覧(計算は表計算ソフトで検算する)
- キャリアアップ計画の「取組」の欄に書く文章の候補
- 社員向けの説明文(正社員転換の制度ができたこと、対象の条件、申し出の方法)
- パンフレットの確認項目から作る、提出前の書類チェックリスト
入力しない情報
氏名、個人別の賃金、賃金台帳や源泉徴収簿、人事評価、マイナンバーは、一般向けの生成AIサービスに入力しません。個人情報保護委員会は2023年6月2日の注意喚起で、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、特定した利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力し、その個人データが応答の出力以外の目的で扱われる場合は、個人情報保護法に違反する可能性があるとしています(個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(令和5年6月2日))。等級と金額だけにした表や、人数を集計した数字なら、個人が分からない形で渡せます。
指示の例
賃金の表を個人と切り離した形にしてから渡します。等級名と金額だけにすれば、氏名や個人の賃金を入れずに済みます。
あなたは中小企業の人事担当の補助です。 次の「改定前」と「改定後」の等級別の時給表をもとに、 新旧対照表の下書きを作ってください。 ・等級ごとに、改定前の額、改定後の額、引上げ率(小数第1位まで)を1行で並べる ・引上げ率が3%に届かない等級があれば、表の下に等級名だけを書き出す ・氏名や個人を特定できる情報は扱わない ・最後に「計算は担当者が表計算ソフトで検算すること」と1行入れる [改定前の等級別時給表を貼る] [改定後の等級別時給表を貼る]
下書きから提出までの確認
生成AIが作った比較表や説明文は、そのまま提出書類にしません。担当者が就業規則・賃金台帳の原本と突き合わせ、制度の文言は社会保険労務士や静岡労働局の助成金センターに確かめてから、計画や申請書に写します。期限の一覧も、最終的には労働局の案内とパンフレットの日付で確認します。
まとめ
- キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の正社員化と処遇改善に取り組んだ事業主への国の助成金で、令和8年度版のパンフレットは5コースを扱う
- 正社員化コースは中小企業で1人当たり最大80万円(重点支援対象者・有期雇用から正規雇用・40万円×2期)、賃金規定等改定コースは1人当たり4万円から7万円
- 金額は1人当たりのコースと1事業所当たりのコースがあり、加算は措置ごとに1事業所1回
- どのコースも取組の前日までにキャリアアップ計画を出し、6か月分の賃金を払った日の翌日から2か月以内に支給申請する
- 静岡県内の受付・相談窓口は、令和8年6月1日から静岡労働局の助成金センター(静岡安藤ハザマビル2階)
- 規定の比較表や説明文の下書きは生成AIに任せ、対象者・賃金額・要件の判断は会社と労働局が行う
よくある質問
Q. パートを正社員にしたら、必ず助成金がもらえますか。
A. もらえるとは限りません。転換の前日までにキャリアアップ計画を出していること、転換の制度を就業規則などに書いていること、転換後6か月間の賃金を転換前より3%以上増やしていることなどの条件があり、支給は労働局の審査で決まります。助成の対象となる場合があります(要件審査あり・支給を保証するものではありません)。
Q. 静岡県内では、どこに申請しますか。
A. キャリアアップ助成金は、令和8年6月1日から静岡労働局の助成金センター(静岡安藤ハザマビル2階)が受付・相談の窓口です。郵送の場合は、静岡地方合同庁舎の住所に送るよう案内されています。雇用関係助成金ポータルからの電子申請もできます。
Q. 賃金規定等改定コースの「3%」は、どの賃金で数えますか。
A. 有期雇用労働者等の基本給を定める賃金規定等を3%以上増額改定することが条件です。賃金テーブルや賃金一覧表も対象とみなされ、既存の規定を改定する場合は全部の等級を3%以上上げる必要があります。最低賃金の効力が生じた日以降の増額は、その最低賃金に達するまでの分が含まれません。
Q. 正社員化コースは何人まで申請できますか。
A. 1年度1事業所当たり20名までです(同一対象者の2回目の申請を除く)。賃金規定等改定コースは100名までです。
Q. 就業規則の改定案を生成AIに作らせてもよいですか。
A. 現行条文と改定案の比較表や、社員向け説明文の下書きには使えます。ただし、正社員の定義や転換の条件、賃金の額は会社が決めることで、改定案は社会保険労務士や労働局に確認してから使ってください。氏名や賃金台帳、マイナンバーなど個人の情報は入力しません。
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参考・出典
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(パンフレット・令和8年4月8日現在)
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金(正社員化コース)のご案内」(リーフレット・令和8年4月8日版)
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)のご案内」(リーフレット)
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金」(2026年10月6日確認)
- 厚生労働省「雇用関係助成金ポータル」(2026年10月6日確認)
- 静岡労働局「各種助成金制度」(2026年10月6日確認)
- 静岡労働局「令和8年9月28日(月)から一部助成金の受付・相談窓口が変更となりました!」(PDF)
- 静岡労働局「雇用関係助成金」(職業安定部職業対策課・2026年10月6日確認)
- 静岡労働局「2026年度下期 雇用管理及び助成金制度事業主説明会」(PDF)
- 静岡市「静岡働き方改革推進支援センターでの無料相談」(2026年10月6日確認)
- 静岡県「令和4年就業構造基本調査の結果(特集)」(PDF)
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要(都道府県)」(PDF)
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(令和5年6月2日)