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静岡県の基準地価の読み方|地価調査2026の早見表

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静岡県の基準地価の読み方|地価調査2026の早見表

この記事の要点

静岡県は「令和8年静岡県地価調査結果」を2026年9月16日に掲載しました。県の表によると、1平方メートルあたりの平均価格は住宅地64,900円、商業地149,400円、工業地47,000円、林地406円です。平均変動率は住宅地が18年連続の下落、商業地が3年連続の上昇、工業地が5年連続の上昇で、全用途は2年連続の上昇となりました。

数字そのものより、実務で効くのは「どの調査の、いつ時点の、どの用途の数字か」を取り違えないことです。地価には地価公示と地価調査の2つがあり、基準日も公表時期も違います。この記事では、2つの調査の違い、県の結果の4行の読み方、全国の数字と比べるときの注意、そして出店・賃料交渉・金融機関への説明にどう使うかを早見表の形で整理します。あわせて、この作業のうち生成AIに任せてよい部分と、任せてはいけない部分を分けます。

地価調査と地価公示は別の調査

社内で「地価が上がった」という話をするとき、最初に確かめるべきは、どちらの調査の話をしているかです。静岡県の「地価調査・地価公示とは」のページに、両者の違いが整理されています。

左に地価公示、右に地価調査を並べ、それぞれの基準日・公表時期・調査主体・対象範囲を添えた対比図
地価公示と地価調査は、基準日も公表時期も調査主体も違う

基準日と公表時期が違う

地価公示の調査基準日は「1月1日」で、公表時期は「3月下旬」です。地価調査の調査基準日は「7月1日」で、公表時期は「9月下旬」です。つまり、同じ年に2回、半年ずれた時点の地価が世に出ます。3月に見た数字と9月に見た数字を並べて「半年で上がった」と言うと、比べているものがそもそも別の調査だということになります。社内資料には、必ず「令和8年地価調査(基準日:令和8年7月1日)」のように、調査名と基準日をセットで書いてください。

根拠法と調査主体が違う

地価公示の根拠法令は「地価公示法(昭和44年)」で、調査主体は「国土交通省土地鑑定委員会」です。地価調査の根拠法令は「国土利用計画法施行令第9条(昭和49年)」で、調査主体は「都道府県知事」です。調査地点の範囲も違い、地価公示が「都市計画区域、都市計画区域外の公示区域」であるのに対し、地価調査は「県内全域」を対象とします。県内全域が対象という点は、都市計画区域の外に工場や倉庫を持つ会社にとって実用上の差になります。

なお価格の性格は両者とも共通で、「自由な取引が行われるとした場合における、その取引において通常成立すると認められる価格」と定義されています。実際の売買価格そのものではなく、通常成立すると認められる水準だという点は、社内で数字を出すときに一言添えておくと誤解が減ります。

令和8年の静岡県の結果を4行で押さえる

県のページは用途別に4行の表を載せています。まずはこの4行だけ押さえれば、社内の会話には足ります。

上段に上昇が続く商業地・工業地・全用途、下段に下落が続く住宅地・林地を並べた二層の図
上昇が続く用途と、下落が続く用途が同時に並んでいる

用途別の平均価格と平均変動率

用途 令和8年 平均価格 調査地点数(継続地点数) 令和8年 平均変動率 令和7年 平均変動率
住宅地 64,900円 401(401) ▲0.1 ▲0.1
商業地 149,400円 149(147) 0.9 0.7
工業地 47,000円 26(25) 0.8 0.8
林地 406円 24(24) ▲0.8 ▲0.9

出典は静岡県「令和8年静岡県地価調査結果」です。県の表には注記があり、平均価格は「全調査地点の平均価格」、平均変動率は「継続調査地点の平均変動率」と書かれています。この違いは資料にすると落ちやすいところです。平均価格は今年の全地点を平均した値、平均変動率は去年も今年も調べた地点だけで見た変化です。母集団が違うので、「平均価格が上がっていないのに変動率がプラス」という見え方も起こりえます。

連続年数で傾向を言う

単年の小数点以下の動きより、社内で伝わるのは連続年数です。県のページは「平均変動率について、住宅地は18年連続の下落、商業地は3年連続の上昇、工業地は5年連続の上昇となり、全用途は2年連続の上昇となった。林地は35年連続の下落となった」と書いています。

整理すると、上がっているのは商業地 3年連続、工業地 5年連続、全用途 2年連続。下がっているのは住宅地 18年連続、林地 35年連続です。住宅地が長く下落している一方で商業地と工業地は上昇が続いている、という2方向の動きが同時に起きているのが今の県内です。

上がっている場所と下がっている場所は分かれている

県の総括はこうです。「県内の地価は、住宅地は下落したものの、上昇地点数の増加、下落地点数の減少がみられた。商業地は3年連続、工業地は5年連続で上昇した。住宅地は、過疎地域や自然災害の懸念がある地域等で下落が続く一方、住環境や利便性の良い地域等では上昇している。商業地は、観光客でにぎわう地域や顧客の回遊性の高い地域、工業地は、交通利便性の良い物流施設需要が見込まれる地域を中心に上昇傾向となっている」。

県平均が下がっていても、自社の拠点がある地域は上がっているかもしれません。逆もあります。県平均だけで自社の話をしないこと、これが今回の結果でいちばん大事な扱い方です。

全国の数字と比べるときの注意

県のページは全国の平均変動率も併記しています。「全国の平均変動率は、住宅地1.0%(地方圏0.1%)、商業地2.9%(地方圏0.9%)であった」とあります。国土交通省の「令和8年都道府県地価調査」の報道発表では、調査基準日は令和8年7月1日、調査地点数は全国21,466地点で、全国平均は全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇したとされています。

住宅地と商業地の行、全国と地方圏の列からなる2行2列の比較図
比較相手を全国にするか地方圏にするかで見え方が変わる

全国平均と地方圏では見え方が変わる

比べるときに気をつけたいのは、比較相手を「全国平均」にするか「地方圏」にするかで見え方が変わる点です。全国平均には三大都市圏が入ります。静岡県の数字を全国平均と並べると差が大きく見えますが、地方圏の数字(住宅地0.1%、商業地0.9%)と並べると印象はかなり変わります。社内資料や取引先への説明では、どちらと比べたのかを明記してください。

昭和62年を100とした指数も添える

もうひとつ、県のページには長期の目安も載っています。「昭和62年を100とした指数は、住宅地が77.0、商業地が46.8である」という記述です。足元の上昇が続いていても、長期の水準としてはまだ当時を下回っている、という文脈を一行添えるだけで、資料の説得力が変わります。

自社の判断にどう使うかの早見表

公表された数字を、そのまま経営判断に変換することはできません。用途ごとに「何の材料になるか」を決めておくと、毎年の作業が定型になります。

中央の令和8年静岡県地価調査から、出店・移転、賃料交渉、金融機関への説明へ線が伸びる図
同じ数字でも、出店・賃料・対外説明では使い方が違う

出店・移転を考えるとき

見るのは商業地と工業地です。店舗なら商業地、工場・倉庫なら工業地の地点を、候補地の市町で絞って確認します。ここで使うのは県平均ではなく、候補地の近くにある基準地の価格と変動率です。県のページから「R8地価調査 資料2(基準地標準価格・変動率一覧)宅地・林地」をたどると、地点ごとの標準価格と変動率の一覧が得られます。物流施設の需要が見込まれる地域で工業地が上がっているという県の記述は、交通利便性の良い場所ほど取得コストが読みにくくなるという話でもあります。

賃料交渉・更新のとき

地価は賃料そのものではありません。賃料の根拠に直結させると話がこじれます。使い方としては、「周辺の地価が上がっている/下がっている」という背景の共有にとどめるのが無難です。賃料の議論は近隣の募集条件や契約内容で行います。地価が下がっているから賃料も下げてほしい、という組み立ては、住宅地と商業地で動きが逆になっている今の県内では通りにくいと考えたほうがよいでしょう。物価や価格改定の説明のしかたは静岡市と浜松市で違う物価|価格改定の説明文を生成AIでにまとめています。

資産の説明・金融機関への説明のとき

決算や融資の場面で、所有不動産の周辺地価を聞かれることがあります。このときは、地点名・基準日・標準価格・変動率の4点をそのまま示し、評価額の話とは切り分けてください。地価調査の価格は「通常成立すると認められる価格」であって、個別の土地の鑑定評価額でも、固定資産税評価額でもありません。同じ理由で、社内で「この土地はいくら」と断定する資料には使わないほうが安全です。

市町別・地点別まで下りる手順

県平均で止めず、自社に関係する地点まで下りるのが本来の使い方です。手順は毎年同じなので、いちど順番を決めておくと来年以降が楽になります。

用途別の4行から不動産情報ライブラリまで、5段が下がっていく階段状の図
県全体の数字から、自社の近くの基準地まで順に下りる

5つの資料を上から順にたどる

  1. 県のページで用途別の4行(平均価格・地点数・平均変動率)を押さえる。
  2. 「R8地価調査 参考(市町別変動率マップ)」で、自社の拠点がある市町の色を見る。
  3. 「R8地価調査 資料1(平均価格・平均変動率順位等)」で、市町の順位と水準を確認する。
  4. 「R8地価調査 資料2(基準地標準価格・変動率一覧)宅地・林地」で、拠点の近くにある基準地の標準価格と変動率を拾う。
  5. 地積・形状・利用の現況まで見たいときは、県のページが案内している国土交通省の不動産情報ライブラリで、その地点の詳細を確認する。

公報と市のページも押さえる

県の正式な公表は公報でも行われており、ページには「令和8年9月16日静岡県公報号外第68号」が掲載されています。監査や対外説明で出典の厳密さが要るときは、公報を典拠にしてください。なお、政令市に拠点がある会社は市のページも便利です。静岡市は「地価情報(地価公示・地価調査)」のページで市内の情報をまとめています。県の統計側の入口としては統計センターしずおか「静岡県地価調査」もあり、過去年の結果をさかのぼるときに使えます。

人の動きとあわせて見る

県内の拠点配置そのものを見直す段階なら、地価だけでなく人の動きも見る必要があります。静岡県の人口移動の読み方と早見表とあわせて見ると、上がっている地域と人が増えている地域が一致しているかを確かめられます。

生成AIに任せる部分と、任せない部分

この作業を生成AIで軽くできるのは、数字を取ってくる工程ではなく、その前後にある「並べる」「言い換える」の工程です。

上段に任せてよい作業、下段に任せない作業を並べた二層の図
数字は人が写し、説明する工程を任せる

任せてよいのは説明と整形

任せてよいのは、たとえば次のような仕事です。県のページから人が書き写した4行の表を、社内会議用に3行の要約文にする。同じ内容を、社内向け・取引先向け・金融機関向けに言い方を変えて書き分ける。グラフに添えるキャプションを、断定を避けた表現で下書きする。来年も同じ手順で更新できるように、作業手順書の文章を整える。いずれも、元になる数字を人が確定させたうえで形を整える作業です。

任せないのは数字そのものと評価

任せてはいけないのは、数字そのものを思い出させることと、評価に踏み込ませることです。「静岡県の令和8年の商業地の平均価格は」と聞けば、それらしい数字が返ってきます。しかしそれは公表値の引き写しである保証がありません。地価のように毎年更新され、しかも地価公示と地価調査という似た名前の調査が2つある分野は、取り違えが起きやすい領域です。数字は必ず県の公表ページから人が写し、写した値と出典のURL・掲載日をセットで記録してください。

同じく、「この土地は割安か」「今が買い時か」といった評価の判断も任せません。地価調査の価格は個別の鑑定評価額ではないため、そこから投資判断を導く使い方は根拠が足りません。景況の全体像を並行して見たい場合は、静岡県景気動向指数の読み方のように別の統計と突き合わせる進め方をおすすめします。

下書きに使うプロンプトの形

前提・材料・出力の形の3つをそろえて渡すと、手直しが減ります。

【前提】静岡県内の会社で、令和8年静岡県地価調査の結果を社内会議で共有します。
読み手は経営層3名で、不動産の専門家ではありません。
【材料】県の公表値は次のとおりです。住宅地の平均価格64,900円、平均変動率▲0.1。
商業地の平均価格149,400円、平均変動率0.9。工業地の平均価格47,000円、平均変動率0.8。
住宅地は18年連続の下落、商業地は3年連続の上昇、工業地は5年連続の上昇です。
【出力】400字程度。材料に書いていない数字は補わないでください。
「上がっている」「下がっている」の判断は材料の範囲内にとどめ、
今後の見通しや割安・割高の判断は書かないでください。
最後に「出典:静岡県 令和8年静岡県地価調査結果」と1行入れてください。

材料として数字を渡すのが要点です。数字を渡さずに「調べて書いて」と頼むと、そこで作られた数字が資料に残ります。出力に出典行を必ず入れさせておくと、あとから確認する人が元のページへ戻れます。

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よくある質問

Q. 地価公示と地価調査は、どちらを見ればよいですか。
用途によります。1月1日時点の状況を見たいなら地価公示、7月1日時点なら地価調査です。静岡県のページでは、地価公示の調査基準日は「1月1日」で公表時期は「3月下旬」、地価調査の調査基準日は「7月1日」で公表時期は「9月下旬」と説明されています。都市計画区域の外に拠点がある場合は、県内全域を対象とする地価調査のほうが該当地点を見つけやすくなります。

Q. 県の平均価格と平均変動率は、同じ地点を見ているのですか。
いいえ。県の表の注記では、平均価格は「全調査地点の平均価格」、平均変動率は「継続調査地点の平均変動率」とされています。母集団が違うため、両方を同じ文脈で並べるときは注記も一緒に書いてください。

Q. 自社の拠点がある市町の数字はどこで見られますか。
県のページに「R8地価調査 参考(市町別変動率マップ)」と「R8地価調査 資料1(平均価格・平均変動率順位等)」が掲載されています。地点ごとの標準価格と変動率は「R8地価調査 資料2(基準地標準価格・変動率一覧)宅地・林地」で確認できます。

Q. 地価が下がったことを理由に賃料の引下げを求められますか。
地価調査の価格は「自由な取引が行われるとした場合における、その取引において通常成立すると認められる価格」であり、賃料の算定式ではありません。背景の共有にとどめ、賃料の話は近隣の募集条件や契約内容にもとづいて進めるのが現実的です。

Q. 生成AIに県の地価を聞いて資料を作ってもよいですか。
数字を生成AIに思い出させる使い方は避けてください。県の公表ページから人が数字を写し、その数字を材料として渡したうえで、説明文の下書きや言い換えを任せる進め方が安全です。出力には出典行を必ず入れさせてください。

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参考・出典