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10月は年次有給休暇取得促進期間|静岡の有休書類を生成AIで

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10月は年次有給休暇取得促進期間|静岡の有休書類を生成AIで

この記事の要点

  • 厚生労働省は毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として集中的な広報を行っています。法律が10月に変わるわけではないので、締切に追われる話ではありません。来年度の休み方を決める作業に着手する月だと考えるのが実務的です。
  • 全国の年次有給休暇の取得率は66.9%で、昭和59年以降で最も高くなりました。ただし産業別では宿泊業・飲食サービス業が50.7%、製造業が72.8%と20ポイント以上の開きがあります。
  • 静岡県は伊豆・熱海を抱える宿泊業と、輸送用機器を軸にした製造業の両方が県内にある県です。同じ「県内企業」でも出発点の取得率がまるで違うため、県全体の平均を目標にしても現場は動きません。
  • 県が公表する月別の宿泊客数を見ると、宿泊の谷は6月・9月・1月です。計画的付与をどの月に置くかは、勘ではなく自社の受注データと公表データで決められます。
  • 生成AIに向くのは、労使協定案・取得計画表・社内アナウンス・就業規則見直しメモの下書きです。日数の判定と最終確認は人がやります。

10月は年次有給休暇取得促進期間|まず押さえる3つの制度

厚生労働省は、年次有給休暇を取得しやすい環境を整えるため、毎年10月を年次有給休暇取得促進期間として広報を行っています(厚生労働省「10月は『年次有給休暇取得促進期間』です」)。

3つの制度を上下に並べ、必要な手続きを右に添えた図
10月に確認しておく3つの制度と、それぞれに必要な手続き

政府は「過労死等の防止のための対策に関する大綱」で、令和10年までに年次有給休暇の取得率を70%以上とする目標を掲げています。静岡県も過労死等防止対策のページで同じ大綱を紹介し、県内の相談窓口を案内しています(静岡県「過労死等防止対策」(2026年4月2日更新))。

制度として押さえるのは次の3つです。

年5日の取得義務

年次有給休暇が10日以上付与される労働者については、そのうち年5日について、使用者が時季を指定して取得させる義務があります。労働者が自分で請求して取得した日数や、計画的付与で取得した日数はこの5日から差し引きます。

つまり「本人が申し出ないから取らせていない」は理由になりません。年度の後半に入るこの時期に、対象者ごとの取得日数を一度棚卸ししておくのが安全です。

年次有給休暇の計画的付与制度

計画的付与制度は、付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結ぶことで計画的に取得日を割り振れる制度です。たとえば15日付与されている人なら、最大10日分を会社が計画に組み込めます。

事業主にとっては計画的な業務運営に役立ち、労働者にとっては予定が立てやすくなる、というのが制度の趣旨です。全社一斉、班別の交替制、個人別の計画表など、割り振り方は事業所の事情に合わせて選べます。

時間単位の年次有給休暇

年次有給休暇は原則として1日単位ですが、労使協定を締結すれば、年5日の範囲内で時間単位の取得ができます。通院、子どもの学校行事、役所の手続きなど、1日休むほどではない用事に対応しやすくなります。

交替勤務や少人数のシフトで1日単位の取得が組みにくい職場ほど、時間単位年休のほうが先に効くことがあります。どちらも労使協定が前提なので、書類の準備がセットで必要です。

全国の取得率は66.9%|業種で20ポイント以上違う

自社の水準を評価するには比較対象が要ります。最新の全国値は厚生労働省の就労条件総合調査にあります。

産業別の取得率を高い順に段で並べた図
産業別の年次有給休暇取得率の差

産業別の取得率

令和6年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は労働者1人平均18.1日、取得日数は12.1日、取得率は66.9%でした。いずれも昭和59年以降で最も高い水準です(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」)。

静岡県内に多い産業を抜き出すと、こうなります。

産業 平均付与日数 平均取得日数 取得率
製造業 18.8日 13.7日 72.8%
運輸業、郵便業 17.4日 11.4日 65.3%
建設業 18.3日 11.1日 60.7%
卸売業、小売業 17.5日 10.5日 59.9%
宿泊業、飲食サービス業 15.9日 8.0日 50.7%
医療、福祉 17.7日 12.1日 68.4%

最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の75.2%、最も低いのが宿泊業・飲食サービス業の50.7%です。製造業と宿泊業の差は22.1ポイントあります。

宿泊業・飲食サービス業は取得率だけでなく付与日数も15.9日と最も少なく、取得日数は8.0日です。取得率を上げる話と、そもそもの付与日数を見直す話は別問題だという点に注意してください。

企業規模別の取得率

企業規模 取得率
1,000人以上 69.0%
300〜999人 66.8%
100〜299人 65.5%
30〜99人 64.9%

規模による差は4.1ポイントで、産業間の差ほど大きくありません。「うちは中小だから取れなくて当然」という説明は、この数字を見ると成り立ちにくくなります。自社の位置を測るなら、規模より業種を軸に比べたほうが実態に近づきます。

なおこの調査は常用労働者30人以上の民営法人が対象で、都道府県別の集計は公表されていません。静岡県だけの取得率は2026年9月時点で公式に確認できる数字がないため、社内資料では「全国値」と明記して使ってください。

静岡の宿泊業は「いつ休ませるか」を月別データで決める

静岡県は伊豆・熱海・浜名湖と宿泊業の集積が大きい県です。前章のとおり宿泊業は全国で最も取得率が低い産業なので、ここをどう組むかが県内の実務の山場になります。

宿泊が多い月と少ない月を左右に分けて比べた図
静岡県の月別宿泊客数で見た繁忙期と閑散期

月別の宿泊客数から谷を探す

繁忙期に休ませられないのは当然として、では谷はどこか。静岡県が公表する月別の宿泊客数が判断材料になります。令和6年度の数字はこうでした(静岡県「静岡県における観光交流の動向(令和6年度)」)。

月 宿泊客数
8月 218万人
3月 183万人
7月 170万人
11月 169万人
12月 164万人
10月 159万人
5月 155万人
2月 151万人
4月 150万人
9月 148万人
1月 148万人
6月 133万人

山は8月の218万人、谷は6月の133万人です。次いで9月と1月が148万人で低くなっています。県全体の平均的な波としては、6月・9月・1月が計画的付与を置きやすい月ということになります。

自社のデータと重ねてズレを見る

もっとも、これは県全体の波です。伊豆の温泉旅館と浜名湖のリゾート、御殿場の宿泊施設では波形が違います。自社の宿泊実績や予約データを月別に並べ、県の波と重ねてズレを見てください。ズレているなら、自社のデータのほうを使います。

宿泊の波に連動する事業、たとえばリネンや清掃の受託、土産物の製造、送迎の運行などでも同じ考え方が使えます。自社の受注が宿泊の何週間前・何週間後に動くかを確認してから、休みを置く月を決めます。

静岡の製造業は交替勤務を前提に組み立てる

静岡県のもう一方の柱は製造業です。全国の製造業の取得率は72.8%と、宿泊業より22.1ポイント高い水準にあります。ただしこれは全国の数字であり、県内の中小の製造業がこの水準にあるという意味ではありません。

計画的付与を中心に3つの組み方が分かれる図
計画的付与の3つの組み方と、それぞれの注意点

計画的付与の3つの組み方

製造業で計画的付与を組むときに論点になるのは、多くの場合ライン全体を止められるかどうかです。現実的な組み方は3通りあります。

  • 全社一斉付与。夏季・年末年始・ゴールデンウイークの前後に休業日をつなげ、ライン全体を止める。取引先への連絡が早めに必要です。
  • 班別の交替付与。2班・3班に分けて順番に休む。ラインを止めずに済みますが、誰がどの日に休むかの表を作る手間が増えます。
  • 個人別付与。計画表を個人単位で作る。事務職や間接部門と相性が良い方法です。

輸送機器のサプライヤーのように、納入先のカレンダーに操業が引きずられる事業所では、全社一斉付与を先に取引先へ通知しておく必要があります。10月に決めて11月に通知し、年明けからの適用に間に合わせる、という逆算になります。

属人化している作業が先に詰まる

技能職の場合、特定の作業をひとりしかできないために休めない、という形で詰まることがよくあります。これは休暇の問題ではなく作業の属人化の問題です。手順書として残す作業については全国労働衛生週間2026|静岡の職場の準備を生成AIでで扱った職場の点検と合わせて進めると、一度の棚卸しで両方が片付きます。

社内書類を生成AIで下書きする|4種類

制度を入れると決めたあと、実務の負荷はほぼ書類に集中します。ここが生成AIの出番です。

4種類の書類を左から右へ並べ、人の確認を最後に置いた図
生成AIに下書きさせる4種類の書類と、人が確認する位置

労使協定の案

計画的付与も時間単位年休も労使協定が前提です。協定に入れる要素は決まっているので、要素を箇条書きで渡して文案を作らせると早くなります。

渡す情報は、対象となる労働者の範囲、付与する日数または時間数、方式(一斉・班別・個人別)、対象となる具体的な日、時間単位の場合は1日の年休が何時間分に当たるか、協定の有効期間です。出てきた文案は、厚生労働省や労働局が公開しているひな形と項目を突き合わせて確認してください。

年次有給休暇取得計画表

班別や個人別で組む場合、表の形が決まれば作業自体は単純です。部署・氏名・付与日数・すでに取得した日数・残り日数・計画日を列に持つ表を作らせ、そこへ人が実データを入れます。

ここで重要なのは、日数の計算をAIにさせないことです。入社日から付与日を割り出す、繰越分を含めて残日数を出すといった判断は、勤怠システムの値か人の確認を正とします。AIに作らせるのは表の枠と説明文までにとどめます。

社内アナウンス文

同じ内容でも、伝える相手によって書き分けが要ります。管理職向けには「部署ごとに計画表を11月◯日までに提出」といった依頼文、一般社員向けには制度の説明と自分が何をすればよいか、パート・アルバイト向けには付与の条件から説明する文が必要です。

外国人スタッフがいる事業所では、やさしい日本語版も併せて用意します。書き分けの手順は経理・総務・人事の生成AI活用8業務|静岡の中小企業で扱っている社内文書の型がそのまま使えます。

就業規則の見直しメモ

計画的付与や時間単位年休を導入すると、就業規則の記載も変える必要が出てきます。AIには「現行の条文と、導入する制度の内容を渡して、変更が必要な条文と論点を一覧にする」という使い方をさせます。

出てきた一覧はそのまま届出書類にはできません。条文の最終的な文言は社会保険労務士など専門家の確認を経てください。AIの役割は、見落としを減らすためのチェックリストづくりです。

AIに入れないもの

  • 個人名と紐づいた勤怠データ、病歴や家庭事情などの取得理由。
  • 社外に出していない賃金データ。
  • 社内で承認が済んでいない人事情報。

社内で生成AIを使うときの線引きそのものについては、利用ルールを1枚にまとめて配るのが結局いちばん早い方法です。

静岡県内の相談先|県と労働局の窓口

制度の設計で迷ったときに、県内で使える窓口があります。

  • 静岡県の労働相談。県が勤労者向け・事業者向けの相談窓口を案内しています。労政会館でも相談を受け付けています。
  • 静岡労働局の総合労働相談コーナー。労働条件全般の相談先として、県のページからも案内されています。
  • 静岡働き方改革推進支援センター。静岡労働局の委託事業として、中小企業・小規模事業者向けに、年次有給休暇の取得促進、長時間労働の是正、就業規則の見直しなどの相談に対応しています。

窓口に持ち込むと早いこと

これらは無料で使えます。制度を入れるかどうかの判断そのものは自社で決める必要がありますが、労使協定の書きぶりや就業規則の整合といった細部は、窓口に一度見てもらったほうが早く片付きます。

なお、県が実施していた「賃金・労働時間等実態調査」は平成21年を最後に実施されていません。県内の賃金や労働時間の水準を調べたい場合は、毎月勤労統計調査地方調査(静岡県統計調査課)または賃金構造基本統計調査(厚生労働省)を見るよう県のページが案内しています。年次有給休暇の取得率については、県単位の公表がない点に留意してください。

生成AIに任せない判断

最後に、AIに渡してはいけない判断を整理します。

3つの判断を通してから実行に移る流れの図
AIの出力を根拠にしない3つの判断

年5日の取得義務の対象になるかどうかの判定は、付与日数・入社日・勤務形態を突き合わせる作業です。パート・アルバイトの比例付与が絡むと条件が細かくなり、AIの一般的な回答では取りこぼしが出ます。勤怠システムの出力か、人の確認を正とします。

時季変更権を使うかどうかの判断も同様です。「事業の正常な運営を妨げる場合」に当たるかは個別事情の評価であり、一般論では決められません。

そして、労使協定を結ぶ相手と手続きです。過半数労働組合があるか、なければ過半数代表者をどう選ぶか。ここは手続きの正しさが結果を左右するので、AIの出力を根拠にしないでください。

逆に言えば、それ以外の「文章にする作業」はほぼ任せられます。制度を決めるのは人、書類の形にするのはAI、最終確認は人。この三段構えで進めるのが、10月に着手する現実的な進め方です。

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よくある質問

Q. 10月に何か届出や申請の締切がありますか。

年次有給休暇取得促進期間は厚生労働省の広報期間であり、10月に期限が来る手続きではありません。年5日の取得義務は労働者ごとの基準日から1年が単位なので、期限は会社によって異なります。

Q. 計画的付与を入れると、社員が自由に休める日数は減りますか。

減ります。付与日数のうち5日は必ず本人が自由に使える分として残す必要があり、それを超える部分を会社が計画に組み込む形です。15日付与の人なら、会社が計画できるのは最大10日までです。

Q. パート・アルバイトにも年5日の取得義務はありますか。

年次有給休暇が10日以上付与される人が対象です。週の所定労働日数が少ない人は比例付与となり、勤続年数によっては10日以上になります。人ごとに付与日数を確認して判断してください。

Q. 静岡県内だけの年次有給休暇の取得率はどこで見られますか。

2026年9月時点で、県単位の取得率を公表している公式統計は確認できていません。就労条件総合調査は全国集計で、都道府県別の数値は公表されていません。社内資料では全国値であることを明記して使うのが安全です。

Q. 労使協定の文案を生成AIに作らせても問題ありませんか。

下書きとして使うのは有効です。ただし完成品として扱わないでください。厚生労働省や労働局が公開しているひな形と項目を突き合わせ、必要に応じて専門家の確認を経てから締結してください。

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参考・出典