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静岡の業務改善助成金の早見表|コース区分と申請期限の決まり方

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静岡の業務改善助成金の早見表|コース区分と申請期限の決まり方

この記事の要点

  • 静岡県内の事業場の令和8年度の申請期間は、令和8年9月1日から10月14日までです。全国共通の締切ではなく、申請事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日までと決まっており、静岡県の発効日は令和8年10月15日です(静岡労働局)。
  • コース区分は事業場内最低賃金の引上げ額で50円コース・70円コース・90円コースに分かれ、助成上限額は引き上げる労働者数との組み合わせで決まります。最大は600万円です。
  • 助成率は引上げ前の事業場内最低賃金で分かれます。1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。
  • 業務改善助成金は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その費用の一部が対象となる場合があります(要件審査あり・支給が確約されるものではありません)。
  • 引上げも設備投資も「これから実施するもの」が対象です。先に設備を買って後から申請する順番では対象になりません。生成AIに任せてよいのは、要件を人が確かめた後の社内文書の下書きまでです。

業務改善助成金の早見表

制度の骨格は「賃金引上げの計画」と「設備投資等の計画」を先に立て、交付決定を受けてから実施し、結果を報告する、という順番です。順番を間違えると要件を満たしません。まず数字の部分を早見表で押さえます。

賃金引上げの計画と設備投資等の計画から交付決定、実施、結果を報告までの流れを左から右に並べた図
計画を立てて交付決定を受けてから実施し、結果を報告する順番

コース区分と助成上限額

助成上限額は、事業場内最低賃金の引上げ額(コース区分)と、引き上げる労働者数の組み合わせで決まります。事業場規模30人未満の事業者は、一部の区分で上限額が大きくなります。

コース区分 引き上げる労働者数 右記以外の事業者 事業場規模30人未満の事業者
50円コース(引上げ額50円以上) 1人 30万円 40万円
50円コース 2〜3人 40万円 70万円
50円コース 4〜5人 70万円 70万円
50円コース 6〜7人 90万円 90万円
50円コース 8人以上 110万円 110万円
50円コース 10人以上※ 130万円 130万円
70円コース(引上げ額70円以上) 1人 40万円 50万円
70円コース 2〜3人 50万円 100万円
70円コース 4〜5人 130万円 130万円
70円コース 6〜7人 180万円 180万円
70円コース 8人以上 230万円 230万円
70円コース 10人以上※ 300万円 300万円
90円コース(引上げ額90円以上) 1人 90万円 100万円
90円コース 2〜3人 150万円 240万円
90円コース 4〜5人 270万円 270万円
90円コース 6〜7人 360万円 360万円
90円コース 8人以上 450万円 450万円
90円コース 10人以上※ 600万円 600万円

※印の「10人以上」の区分は、後述する特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になります。数字は厚生労働省「業務改善助成金」の助成上限額の表によります。

助成率は引上げ前の事業場内最低賃金で分かれる

助成率は、申請を行う事業場の引上げ前の事業場内最低賃金で決まります(厚生労働省「業務改善助成金」)。

引上げ前の事業場内最低賃金 助成率
1,050円未満 4/5
1,050円以上 3/4

静岡県最低賃金は令和8年10月15日から時間額1,154円になります(改定前は1,097円。静岡労働局「令和8年度『静岡県最低賃金』の改正を決定しました」)。つまり10月15日以降の県内の事業場内最低賃金は1,154円以上になるため、1,050円未満の助成率4/5に当たるかどうかは、引上げ前の時点の時間給で判断することになります。

支給される金額の決まり方

支給されるのは、設備投資等にかかった費用に助成率をかけた金額と、助成上限額を比べて安いほうです。厚生労働省「業務改善助成金」のページには次の例が示されています。

  • 事業場内最低賃金が1,040円なので助成率は4/5
  • 8人の労働者を1,130円まで引き上げるので90円コース、助成上限額は450万円
  • 設備投資などの額は600万円

この場合、600万円×4/5=480万円と、90円コースの助成上限額450万円を比べて、450万円が支給される、という計算になります。社内で金額を見積もるときは、費用に助成率をかけた数字だけを見て話を進めないでください。上限額に当たるケースが多く、先に上限額を確かめたほうが計画が崩れません。

静岡県の申請期間は9月1日から10月14日まで

全国共通の締切ではありません。都道府県ごとに違い、静岡県は10月14日です。ここを勘違いしたまま準備を進めると、書類が揃った時点で受付が終わっています。

令和8年9月1日を起点に、発効日の前日と11月30日の2つの候補から、いずれか早い日として10月14日が選ばれることを示した分岐の図
静岡県の申請期限は発効日の前日と11月30日の早いほうで決まる

期限は「発効日の前日」と「11月30日」の早いほう

厚生労働省は令和8年9月24日付の再周知で、申請期間を「令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日まで」と示しています(厚生労働省「業務改善助成金」)。

静岡労働局は令和8年9月4日に、静岡県最低賃金を令和8年10月15日から時間額1,154円に改正することを決定しました(静岡労働局「令和8年度『静岡県最低賃金』の改正を決定しました」)。発効日が10月15日なので、その前日である10月14日が11月30日より早く、静岡県内の事業場の申請期限は10月14日になります。静岡労働局も令和8年度の申請期間を「令和8年9月1日~同年10月14日」と案内しています。

申請先は静岡労働局雇用環境・均等室

静岡県内の事業場の申請先は静岡労働局雇用環境・均等室です。制度内容の問い合わせは業務改善助成金コールセンター(0120-366-440)があります(厚生労働省「業務改善助成金」)。静岡市と浜松市のどちらに本社があっても、労働局の窓口は県内一本です。市役所の産業振興部門と混同しないでください。

事業完了期限は交付決定の年度の1月31日

令和8年度の業務改善助成金を申請した場合、事業完了期限は交付決定の属する年度の1月31日です(厚生労働省「業務改善助成金」)。事業完了期限は、導入機器等の納品日、支払完了日、賃金引上げ日(就業規則等の改正日)のうち、いちばん遅い日を指します。納品も支払いも賃金引上げも1月31日までに済ませる必要があります。

やむを得ない理由がある場合は、あらかじめ理由書とともに申請すれば、事業の完了期限が年度の3月31日まで延長される場合があります。半導体不足など納入業者の都合で納期が1月31日以降になる例が挙げられています。

使えるのは「これから」の引上げと設備投資

要件でいちばん多い取り違えがここです。制度は「もう済ませた取り組みへの後払い」ではありません。

先に買ってから申請する流れが対象外、計画から交付決定を経て実施する流れが対象になることを左右で比べた図
順番を逆にすると計画そのものが対象外になる

先に買ってから申請することはできない

事業場内最低賃金の引上げも設備投資等も、これから実施するものが助成の対象です。賃金引上げの計画と設備投資等の計画を立てて申請し、交付決定を受けた後に計画どおり事業を進め、結果を報告することで、費用の一部が助成金として支給される流れになります。見積書の日付や発注のタイミングを先に動かしてしまうと、計画そのものが対象外になります。

引き上げる労働者の数え方

業務改善助成金では、雇用保険被保険者で雇入れ後6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げる必要があります(厚生労働省「業務改善助成金」)。パート・アルバイトを多く抱える事業場では、この条件に当てはまる人数と、早見表の「引き上げる労働者数」が一致しないことがあります。詳しいカウント方法は申請マニュアルで確認してください。

労働者がいない事業場は対象外

労働者(従業員)の事業場内最低賃金を引き上げるための支援制度なので、労働者がいない場合は助成の対象になりません。家族だけで運営していて雇用保険被保険者がいない事業場は、この制度ではなく別の支援策を探すことになります。

特例事業者に当たるかを確かめる

特例事業者に当たると、助成上限額の区分が広がります。2つの入口があり、それぞれ効果が違います。

中央の特例事業者から賃金要件と物価高騰等要件の2つの入口が伸び、それぞれ助成上限額の区分と対象経費の広がりにつながる図
特例事業者には2つの入口があり、広がる範囲が違う

賃金要件(事業場内最低賃金が1,050円未満)

事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場に係る申請を行う事業者は、賃金要件の特例事業者です(厚生労働省「業務改善助成金」)。助成上限額の区分「10人以上」が使えるようになります。

物価高騰等要件(利益率が3%ポイント以上低下)

原材料費の高騰など社会的・経済的慣行の変化等の外的要因により、申請前最近6か月平均の利益率(売上高総利益率または売上高営業利益率)が、前年同期に比べ3%ポイント以上低下している事業者も特例事業者です(厚生労働省「業務改善助成金」)。申請時に「事業活動の状況に関する申出書」の提出が必要になります。

「%ポイント」は、パーセントで表された2つの数値の差を表す単位です。利益そのものが3%減ったという意味ではなく、前年同期の利益率との差を見る点に注意してください。県内の輸送機器サプライヤーや製紙の関連事業者のように、原材料費とエネルギー費の影響が大きい事業場では、決算書ではなく月次の試算表から6か月平均を出す作業が先に必要です。

物価高騰等要件なら端末も対象経費になる

特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合は、通常は助成対象経費として認められていないパソコン、スマートフォン、タブレット等の端末と周辺機器の新規導入も、令和8年度申請分では対象になります(厚生労働省「業務改善助成金」)。生成AIを業務に入れたい事業場にとっては、端末の更新が対象経費に入るかどうかで計画の組み方が変わります。ただし、あくまで特例に当たる場合の話なので、先に要件の確認が必要です。

静岡の業種で設備投資の計画を考える

助成対象となる経費は「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」です。機械設備の導入やコンサルティングなどが挙げられています。県内の事業場でよく相談があるのは、人手をかけている工程が業種ごとにはっきり違う点です。以下は採択された実例ではなく、計画を考えるときの整理の例です。

輸送機器・楽器のサプライヤー

静岡県西部の輸送機器や楽器の部品を扱う事業場では、検査記録と出荷書類の作成に人手がかかります。県内はピアノの出荷量・出荷額がいずれも全国1位で、令和6年は29,656台・212億2,200万円と全国に占める割合は100%です(静岡県「Myしずおか日本一」)。検査記録の入力を機械側から取り込む仕組みや、測定機器の更新は、生産性向上の説明が立てやすい部分です。手順書の整備は、経理・総務・人事の生成AI活用8業務|静岡の中小企業で整理した書類仕事の棚卸しと同じ考え方で進められます。

製紙・水産加工・茶業

富士市はパルプ・紙関連が市の出荷額の約3割を占め、市別では全国2位です(富士市「紙のまち」)。焼津漁港は水揚げ金額で全国1位が続いており、2025年は460.1億円でした(焼津市「焼津漁港」)。茶は栽培面積が11,600ha・全国の34.7%で1位、荒茶生産量は2位という位置づけです(静岡県「Myしずおか日本一」)。こうした富士地域の製紙の関連事業者、焼津や沼津の水産加工の事業場、県中部の茶業者では、計量・包装・温度管理の工程に人がついたままになっていることがあります。計量や記録を自動で残す設備は、労働能率の増進として説明しやすい部類です。

旅館・小売・飲食

伊豆や浜名湖の宿泊事業者、県内の小売・飲食の事業場では、予約・受付・レジ周りが対象になりやすい部分です。ここは端末の更新が絡みやすいため、通常の対象経費に入るのか、物価高騰等要件の特例に当たるのかで扱いが変わります。判断に迷う設備は、見積もりを取る前に労働局へ相談するほうが早く片づきます。

県の補助金と国の助成金を混ぜない

静岡県にも賃上げに関する補助金があります。ただし窓口も時期も別なので、同じ表に並べて管理すると期限を取り違えます。

業務改善助成金と県の補助金について、窓口と期限を行と列に並べて比べた表の図
窓口と期限が違うので同じ表で管理しない

県の賃上げ系補助金は今年度の受付が終わっている

静岡県の「中小企業等収益力向上(賃上げ環境整備)事業費補助金」は、中小企業者等の収益力向上と持続的発展を図り、賃上げの継続と成長を促進するための補助金です。県のページには「6月30日 応募受付を終了しました」と記載されています(ページ更新日2026年8月3日。静岡県経営支援課)。つまり令和8年度に今から動かせるのは、国の業務改善助成金のほうです。

窓口が違う

業務改善助成金の申請先は静岡労働局雇用環境・均等室、県の補助金の担当は静岡県経済産業部商工業局経営支援課です。社内で「助成金の件」とだけ書いたメモを回すと、担当者が違う窓口に問い合わせて時間を失います。制度名・窓口・期限の3点をセットで書いてください。国と県と市のどの層に相談するかの整理は、静岡県のDX・AI支援窓口|相談先4層の選び方にまとめています。

人への投資は別の助成金

設備ではなく研修費用を対象にしたい場合は、業務改善助成金ではなく人材開発支援助成金の領域です。AI研修に使う場合の考え方はAI研修に使える人材開発支援助成金|静岡の中小企業で、AI導入に使える補助金の全体像は静岡のAI導入補助金5選|国・静岡市・浜松市を整理で扱っています。

申請準備で生成AIに任せてよい作業

期限が10月14日と決まっている以上、書類づくりに時間をかけすぎると間に合いません。生成AIを使う範囲を先に決めておきます。

人が決めること、生成AIに下書きさせること、入力しないものを上下3段に分け、それぞれの例を添えた図
人が決めること、下書きさせること、入力しないものを分ける

人が決めること

コース区分の選択、引き上げる労働者の確定、助成率の判定、特例事業者に当たるかどうか、設備の発注時期。これらは要件の判断そのものなので、人が資料を見て決めます。生成AIの回答を根拠にしないでください。制度の数字は厚生労働省のページと申請マニュアル、期限は静岡労働局の案内が正本です。

生成AIに下書きさせること

賃金引上げを従業員に知らせる社内文書、設備の候補を比べた社内向けメモ、導入後の作業手順書、申請に向けた社内の段取り表。これらは中身を人が持っていて、文章にする手間だけが残っている作業です。下書きを出させて人が直すほうが速く終わります。社内での使い方のルールは静岡の中小企業の生成AI利用ルール|A4一枚で始めるの形で先に決めておくと、申請準備の時期に迷いません。

入力しないもの

従業員の氏名が入った賃金台帳、個人が特定できる時間給の一覧、口座情報、申請様式に記入済みの個人データ。これらは生成AIに貼り付けないでください。人数と区分だけを伝えれば、社内文書の下書きは十分に作れます。

よくある質問

Q. 静岡県の申請期限が10月14日になるのはなぜですか。

A. 令和8年度の申請期間は、9月1日から「申請事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日」または「11月30日」のいずれか早い日までと決まっているためです。静岡県の発効日は令和8年10月15日なので、その前日の10月14日が早いほうになります。

Q. 設備を先に購入してしまいました。後から申請できますか。

A. できません。事業場内最低賃金の引上げも設備投資等も、これから実施するものが助成の対象です。交付決定を受けた後に計画どおり実施し、結果を報告する流れになります。

Q. 助成率が4/5になるか3/4になるかはどこで決まりますか。

A. 申請を行う事業場の引上げ前の事業場内最低賃金です。1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。

Q. パソコンやタブレットの購入は対象になりますか。

A. 通常は助成対象経費として認められていません。特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合に限り、令和8年度申請分ではパソコン、スマートフォン、タブレット等の端末と周辺機器の新規導入も対象になります。

Q. 申請すれば支給されますか。

A. 申請したすべての事業者に支給されるわけではありません。要件を満たす取り組みが対象となる場合があり、支給が確約されるものではありません。また、厚生労働省から委託を受けたと装って助成金の活用を勧誘する事業者がいるとの注意喚起が出ています。厚生労働省や労働局が特定の事業者に助成金の勧誘を委託することはありません。

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参考・出典