SHIZUOKA AI JOURNAL

記事を読む 静岡のAI活用・補助金・研修設計を実務で使う
業務改善

静岡県の漁獲量の早見表|かつお・まぐろ・さくらえびの読み方

⏱ 約12分で読めます
静岡県の漁獲量の早見表|かつお・まぐろ・さくらえびの読み方

この記事の要点

  • 静岡県の「漁獲量日本一」は魚種と指標で中身が違います。かつおは令和5年の漁獲量56,969tと産出額172億200万円がどちらも全国1位、きはだは令和6年の漁獲量9,413tで全国1位、みなみまぐろ(冷凍)などは令和7年の上場水揚量で全国1位です。
  • 「漁獲量」は農林水産省の漁業・養殖業生産統計、「上場水揚量」は水産庁の水産物流通調査で、集計の対象も年次も別です。同じ「きはだ」でも漁獲量9,413t(令和6年)と上場水揚量9,329t(令和7年)は別の数字です。
  • さくらえびは駿河湾だけで獲れるため全国に占める割合は100%ですが、漁獲量は平成28年の1,214tから令和2年の128tまで減り、令和6年は529tです。順位ではなく推移で読む魚種です。
  • 焼津市には焼津港・小川港・大井川港の3つの港があり、水揚げされる魚が港ごとに違います。市の資料と県の統計を混ぜないためには、港の名前と統計の名前を分けて書きます。
  • 生成AIに任せるのは、魚種・指標・年次・出典を人が確定させた後の文章化です。「静岡はお茶も魚も日本一」のような指標抜きの一文を、生成AIに書かせないでください。

静岡県の漁獲量は3つの指標で読む(早見表)

「静岡県の漁獲量」と検索して出てくる数字は、実は3種類の統計から来ています。漁獲量、産出額、上場水揚量です。それぞれ調査主体と年次が違い、全国順位も魚種ごとに変わります。まず早見表で全体を押さえます。

漁獲量・産出額・上場水揚量の3つの指標を上下3段に並べ、それぞれの調査名と年次を示した図
静岡県の漁獲量は漁獲量・産出額・上場水揚量の3つの指標に分かれる

魚種別の早見表

魚種・区分 静岡県の値 全国に占める割合 全国順位 年次 出典の調査
かつお 漁獲量 56,969t 29.6% 1位(2位 宮城県21,028t) 令和5年 農林水産省「漁業・養殖業生産統計」
かつお 産出額 172億200万円 26.0% 1位(2位 高知県85億3,500万円) 令和5年 農林水産省「漁業産出額」
きはだ 漁獲量 9,413t 20.5% 1位(2位 宮城県7,470t) 令和6年 農林水産省「令和6年漁業・養殖業生産統計」
みなみまぐろ(冷凍) 上場水揚量 5,589t 93.3% 1位(2位 神奈川県401t) 令和7年 水産庁「水産物流通調査」
びんなが(冷凍) 上場水揚量 8,938t 70.4% 1位(2位 宮城県3,491t) 令和7年 水産庁「水産物流通調査」
さくらえび 漁獲量 529t 100% 1位(駿河湾のみ) 令和6年 静岡県水産・海洋技術研究所調べ

かつおの数字は静岡県企画部統計活用課「かつお漁獲量・産出額、かつお類漁獲量・産出額、遠洋かつお一本釣漁獲量、遠洋かつお・まぐろまき網漁獲量 日本一」(Myしずおか日本一・2026年2月16日更新)、まぐろ類の上場水揚量は同「みなみまぐろ(冷凍)、びんなが(冷凍)、めばち(冷凍)、きはだ(冷凍)、めかじき(冷凍)、まかじき(冷凍)の上場水揚量 日本一」(2026年9月2日更新)、きはだの漁獲量は同「きはだの漁獲量 日本一」(2026年6月10日更新)、さくらえびは同「さくらえびの漁獲量 日本一」(2025年12月11日更新)から取っています。

「日本一」には指標名を添える

県の公式ページは「かつお漁獲量・産出額 日本一」「きはだの漁獲量 日本一」「みなみまぐろ(冷凍)の上場水揚量 日本一」と、魚種と指標をセットで見出しにしています。県自身が「静岡県は漁業日本一」とは書いていません。

社内資料や商品説明で「静岡は魚の水揚げ日本一」とだけ書くと、読んだ人は県全体の漁獲量が1位だと受け取ります。県全体の海面漁業漁獲量の全国順位は、この記事で参照した県の公式ページには載っていません。「かつお漁獲量で日本一」「冷凍まぐろ類の上場水揚量で日本一」のように、指標を添えるのが安全です。

年次が魚種ごとにずれている

早見表の年次を見ると、かつおは令和5年、きはだは令和6年、上場水揚量は令和7年、さくらえびは令和6年です。県のページは統計ごとに公表時期が違うため、更新日もばらばらです。資料には数字ごとに年次を書き、「最新」とだけ書かないようにします。

かつお|漁獲量も産出額も1位だが2位の県が入れ替わる

かつおは静岡県が漁獲量と産出額の両方で全国1位です。ただし2位と3位の県が指標で入れ替わるので、順位の並びを一つの表から写して両方に使うと間違えます。

かつおの漁獲量と産出額を左右2つのパネルに分け、静岡県が両方で1位、2位が宮城県と高知県で入れ替わることを示した図
かつおは漁獲量と産出額で2位の県が入れ替わる(令和5年)

漁獲量は宮城県、産出額は高知県が2位

令和5年の全国のかつお漁獲量は192,219t、産出額は661億4,200万円です。そのうち静岡県は漁獲量56,969t、産出額172億200万円です。

指標(令和5年) 1位 2位 3位 全国
かつお 漁獲量 静岡県 56,969t(29.6%) 宮城県 21,028t(10.9%) 高知県 16,699t(8.7%) 192,219t
かつお 産出額 静岡県 172億200万円(26.0%) 高知県 85億3,500万円(12.9%) 宮城県 77億8,800万円(11.8%) 661億4,200万円

漁獲量では宮城県、産出額では高知県が2位です。高知県は漁獲量が少なくても産出額の順位が上がっており、量と金額の関係が県ごとに違うことがわかります。出典は静岡県企画部統計活用課「かつお漁獲量・産出額(中略)日本一」(2026年2月16日更新)で、元の統計は農林水産省「海面漁業生産統計調査」です。

「かつお」と「かつお類」は別の行

同じページには「かつお類」の行もあります。かつお類はそうだがつお類を含めた区分で、令和5年の静岡県の漁獲量は60,618t、産出額は178億3,700万円です。全国は漁獲量206,399t、産出額689億3,000万円です。

資料に「かつお56,969t」と書いた次の行に「かつお類60,618t」が並ぶと、読んだ人は数字が食い違っていると感じます。どちらか一方の区分に統一し、区分名を必ず書きます。

漁業種類別でも静岡県が1位

漁業の種類で分けた数字も同じページにあります。令和5年の遠洋かつお一本釣りの漁獲量は全国39,269tのうち静岡県が10,056t(25.6%)で1位、遠洋かつお・まぐろまき網は全国143,796tのうち静岡県が49,734t(34.6%)で1位です。まき網の2位は宮城県23,403t、一本釣りの2位は三重県8,281tです。

焼津港の焼津地区には海外まき網漁船が入港し、新港地区には遠洋かつお一本釣り漁船が入港します。この使い分けは後の焼津の港の節で触れます。

まぐろ|「漁獲量」と「上場水揚量」は別の統計

まぐろ類は、静岡県の「日本一」が2つの別の統計に分かれています。きはだの漁獲量と、冷凍まぐろ類の上場水揚量です。

きはだの漁獲量と冷凍きはだの上場水揚量を2つの箱に分け、それぞれの統計名と年次を対比した図
きはだは漁獲量と上場水揚量が別の統計・別の年次

上場水揚量とは何か

上場水揚量は、卸売市場で取引された数量です。水産庁の水産物流通調査が全国主要147漁港を対象に集計しています。漁船が獲った量ではなく、市場に上がって取引された量なので、県外の船が静岡県内の港で水揚げした分も含まれます。出典は静岡県企画部統計活用課「みなみまぐろ(冷凍)(中略)の上場水揚量 日本一」(2026年9月2日更新)と農林水産省「水産物流通調査」です。

冷凍まぐろ類6種の上場水揚量(令和7年)

魚種(冷凍) 静岡県 全国に占める割合 2位 全国
みなみまぐろ 5,589t 93.3% 神奈川県 401t 5,990t
びんなが 8,938t 70.4% 宮城県 3,491t 12,695t
めばち 9,175t 64.6% 神奈川県 4,947t 14,211t
きはだ 9,329t 59.0% 鹿児島県 5,989t 15,811t
めかじき 267t 59.1% 神奈川県 184t 452t
まかじき 25t 62.5% 神奈川県 15t 40t

6種すべてで静岡県が1位です。みなみまぐろは全国5,990tのうち5,589tが静岡県で、割合は93.3%に達します。

きはだは2つの数字がある

きはだは、漁獲量でも静岡県が1位です。令和6年の全国のきはだ漁獲量は45,873tで、静岡県は9,413t(20.5%)、2位は宮城県7,470t、3位は宮崎県4,982tです。出典は静岡県企画部統計活用課「きはだの漁獲量 日本一」(2026年6月10日更新)です。

ここで注意したいのは、きはだの漁獲量9,413t(令和6年・漁業・養殖業生産統計)と、きはだ(冷凍)の上場水揚量9,329t(令和7年・水産物流通調査)が、数字の近さのわりに別物だという点です。年次も統計も違います。資料に両方を載せるなら、それぞれに統計名と年次を付けて別の行にします。

さくらえび|駿河湾だけの漁で年ごとの変動が大きい

さくらえびは駿河湾の特産で、春漁と秋漁の年2回の漁期があります。全国に占める割合は毎年100%で、順位を比べる相手がいません。この魚種は順位ではなく推移で読みます。

さくらえびの漁獲量を平成28年から令和6年まで左から右へ並べ、令和2年を底に戻っていることを示した折れ線状の図
さくらえびの漁獲量は令和2年の128tを底に令和6年は529t

平成28年から令和6年までの推移

年 漁獲量
平成28年 1,214t
平成29年 1,132t
平成30年 312t
令和元年 175t
令和2年 128t
令和3年 282t
令和4年 384t
令和5年 501t
令和6年 529t

平成30年から漁業者が自主操業規制を行うなど、資源を守る対策が続いています。令和2年の128tを底に、令和6年は529tまで戻りました。出典は静岡県企画部統計活用課「さくらえびの漁獲量 日本一」(2025年12月11日更新)で、元の数字は静岡県水産・海洋技術研究所調べです。

「回復した」と書くときの基準年

令和6年の529tは、令和2年の128tと比べれば4倍以上ですが、平成28年の1,214tと比べれば半分以下です。「回復した」と書くなら、どの年と比べたかを必ず添えます。基準年を省いた一文は、読む人によって受け取り方が正反対になります。

焼津の3つの港で水揚げされる魚を分けて書く

県の統計は県単位ですが、事業者の資料には港の名前が出ます。焼津市の公式ページは、市内の3つの港をそれぞれ別の魚で説明しています。

焼津市を中央に置き、焼津港の焼津地区と新港地区、小川港、大井川港の4つの箱を周りに配置してそれぞれの魚を示した図
焼津市の3つの港と主に水揚げされる魚

焼津港・小川港・大井川港の役割

港 主に水揚げされる魚 補足
焼津港(焼津地区) 冷凍カツオ 海外まき網漁船が入港。冷凍カツオの水揚げは日本一(水産物流通調査より)
焼津港(新港地区) カツオ・マグロ 遠洋カツオ一本釣り漁船・マグロはえ縄漁船が入港
小川港 サバ・アジ・タチウオ 沿岸漁業中心。焼津港と小川港の総称が焼津漁港
大井川港 サクラエビ・シラス 工業と漁業の二つの顔を持つ港

出典は焼津市経済部水産振興課「焼津にある港~多彩な顔を持つ3つの港~」(2024年2月1日更新)です。焼津漁港は特定第3種漁港で、全国で13港しか指定されていません。漁港区域面積は567haで、管理者は静岡県です(焼津市経済部漁港振興課「焼津漁港の概要」(2024年2月1日更新))。

静岡市と浜松市の資料での当てはめ

静岡市の資料なら清水港です。県の「きはだの漁獲量 日本一」ページの写真は静岡県清水港管理局が提供した冷凍マグロの陸上げの写真で、清水港が冷凍まぐろの拠点であることがわかります。ただし清水港だけの上場水揚量は、この記事で参照した県のページには載っていません。港別の数字を書くなら水産物流通調査の港別表を別途確認します。

浜松市の資料なら遠州灘と浜名湖ですが、県の「Myしずおか日本一」の水産物ページに浜松市の魚種は出てきません。浜松市の漁獲量は2026年9月時点でこの記事の参照範囲では公式に確認できていないため、書くなら県統計センターの市町別データを当たってから書きます。静岡市と浜松市で魚の話題の厚みが違うことを前提に、資料の分量を決めます。

生成AIに任せる工程と人がやる工程

漁獲量の数字は、指標と年次を間違えると一発で信頼を失います。生成AIに任せる範囲を、文章化に絞ります。

人が確定させる4つの箱から生成AIの文章化へ左から右に進む工程を示した図
魚種・指標・年次・出典を人が確定させてから文章化を任せる流れ

人が先に確定させる4つ

  1. 魚種と区分(かつおか、かつお類か)
  2. 指標(漁獲量か、産出額か、上場水揚量か)
  3. 年次(令和5年か、令和6年か、令和7年か)
  4. 出典(県の公式ページのURLと更新日)

この4つを確定させてから、生成AIに渡します。

生成AIへの指示の例

次の数字だけを使って、水産加工品の商品説明に入れる2文を書いてください。
・静岡県のかつお漁獲量は令和5年に56,969tで全国1位(全国に占める割合29.6%)
・出典は農林水産省「漁業・養殖業生産統計」
数字と年次は変えず、順位の根拠となる指標名を文中に入れてください。
「日本一の魚のまち」のような指標のない表現は使わないでください。

生成された文は、数字・年次・指標名の3点を出典と突き合わせてから使います。生成AIは「静岡県は漁獲量日本一」のように指標を落として要約しがちなので、指標名の有無を最後に確認します。

資料に書く一文の型

「静岡県のかつお漁獲量は56,969t(令和5年・農林水産省「漁業・養殖業生産統計」)で全国1位です。」

魚種、指標、値、年次、出典、順位の6要素が入っていれば、どの資料にそのまま転記しても数字の意味が変わりません。

あわせて読みたい

よくある質問

Q. 静岡県の漁獲量は全国で何位ですか。

魚種と指標によって違います。かつおは令和5年の漁獲量56,969tで全国1位、きはだは令和6年の漁獲量9,413tで全国1位、冷凍まぐろ類6種は令和7年の上場水揚量で全国1位です。県全体の海面漁業漁獲量の順位は、この記事で参照した県の公式ページには載っていません。

Q. 漁獲量と上場水揚量はどう違いますか。

漁獲量は農林水産省の漁業・養殖業生産統計で、漁船が獲った量です。上場水揚量は水産庁の水産物流通調査で、全国主要147漁港の卸売市場で取引された量です。きはだの場合、漁獲量は9,413t(令和6年)、冷凍の上場水揚量は9,329t(令和7年)で、別の数字です。

Q. さくらえびの漁獲量はなぜ年によって大きく違うのですか。

駿河湾だけの漁で、平成30年から漁業者が自主操業規制を行うなど資源を守る対策を続けているためです。平成28年の1,214tから令和2年の128tまで減り、令和6年は529tです。順位ではなく推移で読み、比較の基準年を明記します。

Q. 焼津で一番多く水揚げされる魚は何ですか。

焼津市の公式ページでは、焼津港(焼津地区)は冷凍カツオが主で、その水揚げは日本一(水産物流通調査より)とされています。新港地区はカツオ・マグロ、小川港はサバ・アジ・タチウオ、大井川港はサクラエビ・シラスです。港ごとに魚が違うので、資料には港の名前を書きます。

Q. 商品説明に「静岡は魚の水揚げ日本一」と書いてよいですか。

指標のない表現は避けてください。「かつお漁獲量で全国1位(令和5年・農林水産省「漁業・養殖業生産統計」)」のように、魚種・指標・年次・出典を添えて書きます。生成AIに文章化を任せる場合も、指標名が残っているかを最後に確認します。

運営元 Uravation より自社に近い業務から着手先を選ぶ材料として、業務別の生成AI活用事例50例を無料で公開しています。 生成AI活用事例 業務別50選を受け取る(無料)

参考・出典