SHIZUOKA AI JOURNAL

記事を読む 静岡のAI活用・補助金・研修設計を実務で使う
業務改善

静岡県の新設住宅着工の早見表|地域と持家・貸家の読み方

⏱ 約8分で読めます
静岡県の新設住宅着工の早見表|地域と持家・貸家の読み方

この記事の要点

静岡県の新設住宅着工戸数は、令和8年7月が1,535戸で前年同月比7.6%減でした。一方で4月から6月の3か月合計は4,380戸と前年同期比10.9%増で、月ごとに増減が入れ替わっています。県は国土交通省の建築工事届のデータから県内分を独自集計し、毎月初旬頃に月別の数字を公表しています(令和8年7月分は2026年9月8日公表)。総数だけを見ると判断を誤りやすいので、東部・中部・西部の地域別と、持家・貸家・分譲住宅の利用関係別に分けて読むのが基本です。

静岡県の新設住宅着工はどこで公表されているか

新設住宅着工の数字は、国が出すものと県が出すものの2階層があります。どちらを見ているかを取り違えると、社内資料の数字が合わなくなります。

建築主の届出が建築着工統計調査に集計され、静岡県が県内分を独自集計して毎月初旬頃に公表するまでの流れを示した図
建築主の届出から県の公表までの流れ。県の月次データは毎月初旬頃に出る。

国の調査と県の独自集計の関係

大もとは国土交通省の建築着工統計調査です。国土交通省「建築動態統計調査の概要」によれば、建築着工統計調査は統計法第2条第4項に基づく基幹統計調査で、建築基準法第15条第1項の規定による建築主の届出に係る建築物を対象とした全数調査です。このうち住宅着工統計調査が、住宅の戸数と床面積の合計を「構造」「建て方」「利用関係」「資金」に分類して把握しています。

静岡県は、この建築工事届の集計データから県内分の新設住宅関連データを抽出して独自に集計し、統計センターしずおか「新設住宅着工統計」のページで月次データを公開しています。同ページの記載では公表予定は毎月初旬頃で、概略データは県くらし・環境部住まいづくり課が持ち、詳細データは県庁県民サービスセンターと各土木事務所の住宅主管課にあります。

最新分がいつ出るか

直近の公表実績は次のとおりです。7月分が9月上旬に出ているため、手元の資料をつくるときは「およそ2か月前の月までしか確定していない」という前提で組み立てます。

対象月 公表日
令和8年7月分 2026年9月8日
令和8年6月分 2026年8月10日
令和8年5月分 2026年7月8日
令和8年4月分 2026年6月8日

出典は統計センターしずおか「新設住宅着工統計」の公表一覧です。

令和8年度の月別早見表(県全体と全国)

県全体と全国を並べると、同じ月でも向きが違うことが分かります。

月別の戸数と前年同月比

以下は静岡県「令和8年7月新設住宅着工統計」(2026年9月8日公表・PDF)の総括表の数字です。

月 静岡県 前年同月比 全国 前年同月比
令和8年4月 1,573戸 11.4%増 62,569戸 11.4%増
令和8年5月 1,148戸 2.2%減 57,877戸 33.9%増
令和8年6月 1,659戸 21.6%増 66,344戸 18.6%増
令和8年7月 1,535戸 7.6%減 66,439戸 8.2%増
4〜6月計 4,380戸 10.9%増 186,790戸 20.2%増

県と全国で向きが違う月がある

令和7年度の年度計は静岡県が17,117戸、全国が711,171戸です。5月と7月は県だけが前年割れで、全国は増えています。「全国が増えているのに自社の引き合いが伸びない」という感覚は、県の数字を見ると裏づけが取れる場合があります。

東部・中部・西部で動きが違う

静岡県は静岡市(中部)と浜松市(西部)の二政令市を持つ県で、住宅需要も一つの塊では動きません。県の統計も東部・中部・西部の3地域に分けて出しているので、自社の商圏がどこに入るかで見る列を変えます。

静岡県全体が東部・中部・西部の3地域に分かれ、中部に静岡市、西部に浜松市が含まれることを示した階層図
県全体は3地域に分かれる。静岡市は中部、浜松市は西部に入る。

令和8年7月の地域別

地域 令和8年7月 前年同月比 4〜6月計 前年同期比
東部 524戸 4.6%増 1,207戸 1.0%減
中部 431戸 11.9%減 1,315戸 10.8%増
西部 580戸 13.7%減 1,858戸 20.3%増

同じ7月で、東部だけが増えて中部と西部が減っています。4〜6月では逆に東部だけが減って中部と西部が伸びていました。3地域を一括で語れる月はほとんどないと考えたほうが安全です。

年度の規模感

令和7年度の年度計は東部4,879戸、中部5,440戸、西部6,798戸でした。西部がいちばん多く、東部がいちばん少ないという順番が規模感の目安になります。月次の増減率だけで「西部が落ちている」と書くと、規模の大きい地域の数十戸の動きを過大に評価してしまいます。増減率と実数を必ず並べて書くのが実務的です。

持家・貸家・分譲住宅を読み分ける

利用関係別の内訳は、営業先がどこかで意味が変わります。工務店・設計事務所は持家、賃貸管理や設備は貸家、住宅設備の量販は分譲住宅に近い動きをします。

左に総数だけを見た場合の前年割れ、右に持家1.3%増・貸家15.3%減・分譲住宅14.6%減の内訳を並べた対比図
総数だけを見る読み方と、利用関係の内訳まで見る読み方の違い。数字は令和8年7月の前年同月比。

令和8年7月の県内の内訳

区分 令和8年7月 前年同月比
持家 755戸 1.3%増
貸家 516戸 15.3%減
給与住宅 6戸 増減なし
分譲住宅 258戸 14.6%減
分譲住宅のうちマンション 15戸 62.5%減

7月の総数が7.6%減になった主因は貸家と分譲住宅で、持家はわずかに増えています。「住宅着工が落ちた」と一言で書くと、持家中心の会社では実感と合わない資料になります。

資金と構造の列も使える

同じ表には資金別と構造別の列もあります。令和8年7月は民間資金1,381戸(5.6%減)、公的資金154戸(22.6%減)、うち機構資金17戸(70.0%増)、木造1,099戸(6.1%減)、非木造436戸(11.2%減)でした。木造の比率が高いことは、県内の工務店や製材・建材の商流を説明するときの材料になります。

「着工」は届出ベースだという前提を外さない

対象に入るもの

この統計は完成した住宅の数ではなく、着工の届出をもとにした数字です。前掲の国土交通省「建築動態統計調査の概要」のとおり、対象は建築基準法第15条第1項の届出に係る建築物です。ここから外れるものは入りません。

着工の届出だけが住宅着工統計調査の対象になり、今月の受注・リフォーム・引き渡しは外れることを示した振り分け図
住宅着工統計調査の対象に入るものと、そこから外れるもの。

この数字では言えないこと

だから次のような使い方はできません。着工の数字で「今月の受注」を語ること、リフォームや増改築だけの工事量を読むこと、着工から引き渡しまでの期間を差し引いて売上を推定すること。いずれも別の資料が必要です。県の月次データは「県内でこれから工事が立ち上がる件数の規模と向き」を見る道具だと割り切ると、社内での誤読が減ります。

全国の詳細な表を突き合わせたいときは、e-Stat「建築着工統計調査」から住宅着工統計の表を取れます。県の独自集計と国の公表値は集計時点や区分の切り方が違うため、同じ資料の中で混ぜないようにします。

自社の景況メモを生成AIで下書きする

毎月の数字を眺めて終わりにせず、5行程度の社内メモに落としておくと、見積りの判断や採用の相談に使えます。この整形は生成AIが向いている作業です。

公表値を写し、生成AIで5行のメモに整え、言えないことを1行足して社内共有し、翌月に戻る循環図
毎月の景況メモを回す流れ。最後に「言えないこと」を1行足す。

渡す数字と渡さない情報

渡すのは、県の公表PDFから写した公開値だけにします。総数と前年同月比、地域別3行、利用関係別の主な行、対象月と公表日です。渡さないのは、自社の受注明細、客先名、見積金額、社員の氏名、未公表の仕入条件です。県の統計は誰でも見られる公開情報ですが、そこに自社の非公開情報を混ぜた文章を外部サービスに投げると、扱いの線が引けなくなります。社内の線引きは静岡の中小企業の生成AI利用ルール|A4一枚で始めるの形でA4一枚にまとめておくと運用しやすいです。

そのまま使える指示文

あなたは建設会社の管理部門の担当者です。
以下の静岡県の新設住宅着工の公表値だけを使って、社内共有用のメモを5行で書いてください。
条件:
- 数字は与えたものだけを使い、推測値を足さない
- 「増えた/減った」の判断には必ず実数と前年同月比を併記する
- 東部・中部・西部の向きが違う場合は、違うと明記する
- 最後の1行に「この数字で言えないこと」を1つ書く
(ここに対象月・公表日・総数・前年同月比・地域別・利用関係別を貼る)

最後の1行を必ず書かせるのが要点です。届出ベースであることを毎月書かせておくと、読む側も過大解釈をしなくなります。建設業のほかの書類作業をまとめて軽くしたい場合は建設業の生成AI活用7選|静岡の現場書類を効率化も合わせて読んでください。

よくある取り違え

数字の取り違えは、ほぼ次の4つに集約されます。

期間と規模の取り違え

1つ目は年度計と年計(暦年)の混同です。県の資料には両方が載っています。静岡県の令和7年度計は17,117戸ですが、令和7年(1月から12月)の年計は18,070戸です。どちらも正しい数字なので、資料の中で必ず「年度」か「暦年」かを書きます。

2つ目は県と全国の比率をそろえずに比べることです。県の1,535戸と全国の66,439戸は桁が違うため、実数の比較には意味がありません。比べるのは増減率か、県の全国シェアのどちらかに決めます。

区分と時点の取り違え

3つ目は少数の区分の増減率を強調してしまうことです。給与住宅6戸や分譲マンション15戸のような区分は、1棟の有無で増減率が大きく振れます。実数が2桁以下の区分は、率ではなく実数で書くほうが正確です。

4つ目は公表のタイミングを忘れて「最新」と書くことです。手元にあるのが7月分でも、資料をつくる時点が9月下旬なら、8月分は未公表です。「令和8年7月分(2026年9月8日公表)時点」と対象月と公表日をセットで書けば、あとから読む人が誤解しません。県の統計を全国順位の資料に組み込むときの整え方は静岡県の全国順位を資料に使う|100の指標と生成AIの分担で扱っています。

よくある質問

Q. 静岡市と浜松市の数字だけを取り出せますか。
県が公表している概略データは東部・中部・西部の3地域区分です。静岡市は中部、浜松市は西部に含まれます。市単位の詳細は、統計センターしずおかのページの記載では県庁県民サービスセンターや各土木事務所の住宅主管課にある詳細データを確認する形になります。市別の内訳が公表PDFに載っているかは2026年9月時点で公式に確認できていないため、市単位の数字が必要な場合は住まいづくり課に問い合わせてください。

Q. いちばん新しい月はどれですか。
この記事の作成時点で公表されている最新は令和8年7月分(2026年9月8日公表)です。公表は毎月初旬頃なので、月が変わったら統計センターしずおか「新設住宅着工統計」の公表一覧を確認してください。

Q. 「着工」と「販売」はどれくらいずれますか。
この統計は着工の届出をもとにした数字で、完成や販売の時期は含みません。工期は建物の規模や工法で変わるため、統計から一律の日数を差し引いて販売時期を推定することはできません。

Q. 増減率がプラスなのに現場の忙しさが変わらないのはなぜですか。
戸数と工事量は比例しません。分譲マンション1棟で戸数が数十戸動く一方、持家1棟は1戸です。戸数の増減と自社の工事量を結びつけるときは、どの利用関係の区分が動いたかまで見てください。

Q. 社内資料に転載してよいですか。
県の統計は公開情報ですが、転載時の扱いは統計センターしずおかの著作権・リンクについてのページの条件に従ってください。出典と対象月を明記するのが基本です。

運営元 Uravation より自社に近い業務から着手先を選ぶ材料として、業務別の生成AI活用事例50例を無料で公開しています。 生成AI活用事例 業務別50選を受け取る(無料)

参考・出典